2010年6月議会 一般質問
1 公約について
公約について
米軍訓練移転について
市長退職金について
2 核兵器廃絶・平和行政について
平和市長会議への参加を
3 集団補聴システム(磁気ループ)について
「磁気ループ」に対する尼崎市の評価は
「磁気ループ」受信機の装備を
高齢者むけにも活用を
公共施設への設置、携帯型の装備を
4 緊急通報システムについて
障害者などへ対象者の拡充を
5 公共施設のあり方について
問題が多い「提言」、市民的検討を
労働福祉会館・労働センターの労働者福祉・労働行政の拠点としての役割・機能は
6 最後に
2010年6月10日


 6月10日に本会議で一般質問をしました。
 内容をお知らせします。
2010年6月議会での一般質問
1 公約について top↑
  公約についてtop↑

【辻おさむ議員】
 日本共産党議員団の辻おさむです。
 まず、公約について伺います。

 鳩山総理が、わずか8ヶ月で辞任し、管内閣が発足しました。
 鳩山前総理の辞任は、国民の期待に背き、公約を裏切った政治が、国民的な怒りに包囲された結果にほかなりません。
 辞任の理由は、「普天間基地」と「政治とカネ」の問題ですが、管直人氏は、3日の記者会見で、「二つの大きな重荷を総理自らが辞めることで取り除いていただいた」とのべました。つまり、首相辞任で一件落着にしようという、とんでもない考えです。

 沖縄・普天間基地は、「国外、最低でも県外」という公約を踏みにじり、名護市辺野古の海を埋め立てて新基地をつくり、徳之島と本土にも訓練を分散するという自公政権時代より悪い「最悪のシナリオ」です。

 菅新総理は、早速アメリカに電話し、大統領から求められ「合意を踏まえ、しっかり取り組んでいきたい」と誓約しました。
 これでは、沖縄県民の怒りは、おさまらないでしょう。

 「政治とカネ」の問題でも、鳩山総理や小沢幹事長にたいし、数々の疑惑が噴き出したにもかかわらず、ほおかむりを続け、説明責任をまったく果たさなかったのに、菅総理は、「幹事長を辞任するというのは、一定のけじめではある」と繰り返し、疑惑解明にふたをする態度です。

 また、暮らしの問題では、「後期高齢医療制度の廃止」は、4,5年も先延ばしのうえ、75歳の線引きを65歳に引き下げる検討など、即時廃止から後退です。

 また、雇用不安、ワーキングプアが社会問題になる中、労働者派遣法の抜本改正がいそがれますが、政府の法案は、短期の契約でも契約更新で1年以上の雇用が見込まれれば、常用型派遣と見なし、ワープロ、パソコンなどの操作を専門26業種に含めるなど、派遣労働をほとんど認める抜け穴だらけです。非人間的な働き方に苦しんでいる派遣労働者から、怒りの声が上がっています。

Q1 そこで質問です。政治家である市長として、このような公約破りに対して、どのような考えをお持ちでしょうか。ご所見をお聞かせください。

市長答弁
 公約実現に向けて最大限努力していくことは政治家として当然の責務であると考えております。

 また、そめ実現が困難な場合は、説朋責任を果たすことが重要であると認識しております。

  米軍訓練移転についてtop↑

【辻おさむ議員】

 なかでも見過ごせないのは、普天間基地問題です。
 もともと米軍の海兵隊は、「殴りこみ部隊」です。沖縄からイラク、アフガニスタンに展開し、1年のうち半分はいないなど、日本をまもる「抑止力」にはなりません。

 アメリカ政府は、「『地元合意』がないところには基地はつくらない」ことを原則にしているといわれますが、日本のどこにも、『地元合意』を得られる場所はありません。
 唯一の解決の道は、「移設条件なしの撤去」「無条件撤去」です。

 しかし、日米合意のように、米軍訓練を全国に広げるとなると、尼崎の周辺には、伊丹の自衛隊基地もあり、全国の知事の中で大阪の橋下知事だけが、受け入れの可能性を示唆していることは、尼崎として見過ごせません。

Q2 そこで質問です。関西国際空港や伊丹空港に受け入れるとなると、関西地域、近畿地域に影響があると考えますがいかがでしょうか。市長のご見解をお聞きいたします。

Q3 また、尼崎市としても全国の自衛隊機地へのアメリカ軍の訓練移転に反対する意思表示をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。


市長答弁
 お尋ねの内容については、市の権限に属さない国防に関するすることであり、また、首相から全国知事会に対して協議がなされたもので、兵庫県からこの件について何らの説明も伺っておりませんので、具体的にお答えをする立場にはないと考えております。

  市長退職金についてtop↑

【辻おさむ議員】

 第二問目の「公約について」は、市長退職金についてです。
 2002年、初当選した白井市長の公約の中で「市長の退職金は500万円」というのは、大きな目玉でした。
 しかし、市長自身が退職金の減額条例案を出す前の2003年3月議会に、新政会の議員から「白井市長だけ、500万円」という条例案がだされ、賛成多数で可決さ

れました。現在でも、この条例が生きています。
 その後、白井市長自身が2005年3月議会に、「誰が市長になっても500万円」という条例提案をされましたが、市議会では否決されました。
 次に、2期目の市長選挙後の2007年12月議会に、改めて条例提案されましたが、これも成立しませんでした。
 理由は、助役・副市長との整合性、他の改定との抱き合わせなど、提出の時期、方法などにも問題があったのも事実です。
 さて、昨年6月の市議選があり、新しい議員による議会構成となりました。 
 市長の2期目の任期は、今年12月までです。退職金条例を改めて出すのは、市長2期目としての最後のチャンスは、9月議会ではないでしょうか。

Q7 そこで質問です。2期目最後の議会である9月議会に、改めて、市長退職金条例を出す考えは、あるのでしょうか。お答えください。

  市長退職金について、ひとつ気になることがあります。

 今年1月31日に白井市長の個人後援会である「白井文と輝くあまがさきの会」の新春の集いがありました。今年のサプライズは和服に茶髪でしたが、それはさておき、市長がごあいさつで市長退職金に触れられました。

 「私の500万円は確定しているのですが」としながらも、条例化は「報酬削減、期末手当削減などで4年で2800万円も減っている」として、「再検討する」といった主旨だと受け取ったのは、私だけでしょうか。

Q8 そこで質問です。「誰が市長になっても500万円」という公約は、最後まで貫かれるのでしょうか。市長退職金にたいする現在の考えをお聞かせください。

市長答弁
 先ほども申し上げましたとおり、政治家にとりまして、公約を実現させるために最大限努力することは当然の責務であると考えております。

 「尼崎市長の退職手当は誰であっても500万円」という公約につきましては、9月議会での対応も含めて、引き続き努力を重ねていきたいと考えております。

2 核兵器廃絶・平和行政について top↑
  平和市長会議への参加を top↑

【辻おさむ議員】
 次に、核兵器廃絶・平和問題について伺います。

 核兵器廃絶は、人類の悲願、被爆国・日本の悲願です。
 今年の「核不拡散条約(NPT)再検討会議」は、189カ国が参加し、4週間にわたる協議の結果、「最終文書」を全会一致で採択し、5月28日に閉会しました。

 最終文書では、「核兵器の完全廃絶に向けた具体的措置を含む核軍備撤廃」に関する「行動計画」にとりくむことで合意し、核兵器保有国は、核廃絶に向けた「努力」を迫られ、その「努力」は2014年の準備委員会に報告され、その上に立って、2015年の次期再検討会議で「次の諸措置を検討する」とされました。

 もともと、核不拡散条約は、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の核保有国だけに核兵器の独占を認めた不平等条約ですが、核廃絶をもとめる世論の高まりの中で、2000年の「再検討会議」では、核兵器廃絶に向けた核保有国の「明確な約束」が合意されるに至りました。

 しかし、前回の2005年は、当時のアメリカ・ブッシュ政権の妨害で、何の合意もないまま終了していました。

 今回は、その「失敗を繰り返さない」という各国の意思があり、終了直前までぎりぎりの調整がつづけられ、2000年合意である核兵器廃絶に向けた保有国の「明確な約束」を踏まえた「行動計画」が決定されました。

 今回採択された確認は、「核兵器のない世界」にむけて、「重要な一歩前進」です。
 
 今年3月に尼崎市議会が採択した意見書は、「再検討会議」成功への後押しになりました。もちろん、被爆国・日本の反核・平和を願う粘り強い市民運動が、大きな役割を果たしてきたのは言うまでもありませんが、核兵器廃絶を具体化していこうという中で、いっそうの役割が求められます。

 昨年9月議会で、日本共産党の義村議員が、「平和市長会議に加入して、核兵器のない世界をつくる活動に参加してはどうか」という提案をしました。

 そのときの答弁は、「しばらく同会の今後の活動状況等を見守ってまいりたい」というものでした。
 
Q4 そこで質問です。平和市長会議について、その後、どのように検討されてきたのか、また、核兵器廃絶へ世界が動き始めているときに、尼崎市としても積極的な役割が果たせるよう、改めて平和市長会議へ加入するべきだと考えますが、いかがでしょうか。


市長答弁
 平和市長会議は、規約の第1条にもありますように、核兵器廃絶の市民意識の喚起など、その目的とするところには、私自身賛同するところではありますが、同時に連帯都市としての行動原則も規約で謳われており、その目的達成のため、誠実に行動すること、並びに他市にも連帯を呼びかけ、連帯の輪を広げるよう、努力を求めています。

 従いまして、加入により連帯都市としての役割を果たしていかなければならないこと、また、今は市政に全力を投入しなければいけない時期でもありますので、今しばらく活動状況を見守ってまいりたいと考えております。


【辻おさむ議員】

 NPT再検討会議の「最終文書」には「核兵器のない世界の達成に関する諸政府や市民社会からの新しい提案およびイニシアチブに注目する」と、はじめて「市民社会」という言葉が入りました。

 「市民社会」とは、反核平和運動や平和市長会議のような活動を指すものです。

 尼崎市が、市民の運動を支援するとともに、平和市長会議への加入など、積極的な役割を果たすよう、強く要望しておきます。

3 集団補聴システム(磁気ループ)について top↑
  「磁気ループ」に対する尼崎市の評価は top↑

 【辻おさむ議員】
 次に、集団補聴システムについて伺います。

 最近、「磁気ループ」というものを知りました。磁石の「磁気」、「輪」を意味する「ループ」です。「磁気誘導ループ」ともいいます。

 これは、ワイヤーを部屋や、床の一定の場所に「輪」にして張りめぐらせ、それをアンテナとして、発生させた磁気を、専用の受信機で受信して音声に変える装置です。

 声に近い周波数で磁気を発生させるので、雑音の少ないクリアな音声を聴く事ができ、聴力障害者などの「集団補聴システム」として、20年以上前から実用化されています。

 便利なところは、通常使われている補聴器の7割が「専用受信機」として使える点です。

 建物の施行時に、ループ用配線を床下に埋め込んでおく「常設型」と、持ち運びできる「移動式」があります。

 聴覚障害のある人と、ない人のコミュニケーションを保障するためには、「視覚で伝える」方法だけではなく、「より聞き取りやすい環境を作る」ことも大切です。

 「東京都福祉のまちづくり条例」では、観客席・客席を設ける場合は、「集団補聴設備等、高齢者、障害者等の利用に配慮した設備を設けること」と規定され、横浜市の「福祉のまちづくり条例」の「施設整備基準」では「磁気ループ」が例としてあげられています。

 最近では、磁気ループが設置してある観光バスもあると聞きます。
 
 さて、尼崎市では、どうでしょう。

 1999年度に寄付でいただいた1台が、身体障害者福祉会館にあり、聴力障害者協会が管理しています。

 先日、要点筆記者要請講座で「磁気ループ」を実際に使っているところを、見学させていただきました。

 ダンボール箱2つの大きさで、自動車で持ち運びできる移動式のものです。

 実際に、補聴器をお借りして聞いてみたのですが、通常は、周りの雑音が入り、遠くでしゃべっているような聞こえ方でしたが、「磁気ループ」に切り替えると、耳元でしゃべっているような、鮮明な声が聞こえてきました。なかなかの優れものです。

Q5 そこで質問です。「磁気ループ」を導入して10年になりますが、「磁気ループ」に対する尼崎市の評価はどのようなものでしょうか。

健康福祉局長答弁
 高齢者や聴覚に障害のある方が、難聴を補うために使用している補聴器は、通常、音声を全体的に大きくするものであり、周囲の雑音により音声の聞き取りにくいというデメリットがございます。

 磁気ループは、場内に設置した磁気誘導ループから送られてくる磁気を、補聴器によって受信に雑音の少ないクリアな音声を聴くととができる装置であります。

 主に磁気ループには、建物内にループを埋め込む常設形や、アンプやループの持ち進びが可能な移動型、また対面時に活用するカウンター型がございます。

 いずれのシステムもループアンテナ近くに対象の方がおられることが前提となり、特定の送信機から送られてくる情報を、磁気ループに対応した補聴器を装着していることで、使用可能となります。

 磁気ループに対応した補聴器とは、主に「耳かけ型」や「ポケット型」補聴器に見られるような、磁気を信号に変えるためのコイルを搭載した補聴器のこととであり、スイッチを切り替えることで使用が可能となります。なお、スイッチを切り替えることで、一般的に他の音声はひろえなくなります。

 常設型並びに移動型においては、発言者が特定の方に限られるケース、例えば講演会などを視聴する場合においては、他の音声を聴くことなく、特定の情報だけを得ることができるという効果があります。

 一方、送信者のみの音声しかひろえなくなってしまうため、例えば会議など多数の方とコミュニケーションを図る際には適さないシステムといえます。

 また、カウンター型につきましては、不特定多数の方が往来される施設の場合、磁気誘導ループ付近で、他に補聴器を使用している方がおられる場合、その会話内容が漏れてしまうなどの危険性が考えられます。

 以上のことから、映画上映や演劇、講演会など、音声を送信する側が特定されている場合に、大変有用なシステムであると考えております。

  「磁気ループ」受信機の装備を top↑

【辻おさむ議員】
 さて、聴力障害者協会に活用状況を聞きましたら、「協会の難聴部や他の難聴者団体の会合で使用している」「難聴者の出席が予想される場合には用意している」ということです。

 しかし、以前は月に2〜3回の使用があったものが、最近は年に数回に減ってきているようです。

 それは、補聴器の小型化やデジタル化で、磁気の受信機能が付いていなかったり、対応していない補聴器が増えてきていることが原因のようです。

 そこで、尼崎市所有の「磁気ループ」に、「受信機はいくつあるのか」と尋ねましたら、「ひとつもない」「自分たちの補聴器で対応している」とのことでした。これでは、せっかく、よい宝があっても使えません。


★Q6 そこで質問です。尼崎市として、聴覚障害者のコミュニケーションを保障するために、磁気ループの受信機を何台か装備しておくべきだと考えますが、いかがでしょうか。

健康福祉局長答弁
 聴覚に障害のある方が、補装具制度を利用して選定されている、ほとんどの補聴器が「耳かけ型」であり、磁気ループに対応したものと考えておりますが、磁気ループに対応していない新たな補聴器が増えてきている状況もございます。

 その場合、ご自身が使用している補聴器をはずして、専用の受信機を装着することで利用可能となりますが、衛生管理の問題や着脱のわずらわしさ、補聴器と違い周囲の音が聞こえないといった問題がございますので、その点も踏まえて、現状のニーズを把握してまいりたいと考えております。

  高齢者むけにも活用を top↑

【辻おさむ議員】

 「磁気ループ」の形も最近はいろんなものがあり、受信機も「ヘッドホン型」「耳かけ型」、中には、ネックレスのように首にかけて使うものもあります。

 また「集団補聴システム」は、「磁気ループ」だけではなく、「赤外線」や「FM電波」を利用したものなど多様です。JR尼崎のCOCOEには、赤外線方式を設置している映画館もあると聞きました。

 さらに、「カウンター型」と呼ばれる、対面で使用する小規模のものもあります。

 尼崎市役所のなかで、「ほかに、磁気ループはないのか」と調べてもらいましたら、武庫小学校に「埋め込み形」、北難波小学校に、「持ち運び型」があるようです。

 どちらも最近はあまり使われず、眠っている状況です。

 これは、「磁気ループ=集団補聴システム」が、聴力障害者むけのシステムだと考えられてきたからではないでしょうか。

 高齢化による聴力の衰えは、だれにも起こることです。

 尼崎市役所は、他都市に比べ、市民が庁舎まで足を運んでくることが多いのが特徴です。時期によっては、本庁1階は大変な混雑です。

 ざわざわとした中で、各種の窓口、カウンターで職員と話をするのは、高齢者にとって大変です。「集団補聴システム」は、こうした高齢者にとっても、ありがたいものです。
 
Q9 そこで質問です。本庁舎など、市民が大勢集まるところでの設置、あるいは携帯型の装備をするべきだと思いますが、いかがでしょうか。

健康福祉局長答弁
 兵庫県福祉のまちづくり条例施行規則では、大勢が集まる施設の中でも、固定席を設置する劇場やホールといった一定の施設を対象に集団補聴設備を設置することと規定されております。

 本庁舎など多くの市民で混雑している各窓口・カウンターへの携帯型やカウンター型のシステムの導入に関しましては、阪神間等で設置している自治体にお話をお聞きいたしましたが、カウンター付近で他に補聴器を使用する人がいる場合、会話内容を知られてしまうといった問題点、また、筆談によるコミュニケ→ションの方が円滑であるといったことから、システムを上手く活用できていない状況があるとのお話もあり、更に他都市の状況などを研究してまいりたいと考えております。


  公共施設への設置、携帯型の装備を top↑

【辻おさむ議員】
 次に、各地域にある会館はどうでしょうか。

 たとえば、立花フェスタに多目的ホールがあります。

 私もよく会議や行事で参加しますが、いつも文句を言われるんです。

 「なんで、あんな聞き取りにくい会場にするんや!」――――。

 先日、審議会を「フェスタでやる」というので、担当の職員に、今の苦情を伝えました。その職員さんは、さっそく、フェスタの会場を見に行かれ「確かに聞き取りにくいです」といっておられました。

 高齢の方ならなおさらです。しかし「補聴システム」があれば解消できます。
 また、地区会館でもいろんなサークルが活動していますが、なかには歌や音楽が欠かせないサークルもあります。音が他の部屋にも聞こえるため、会議や催しがやりにくいこともあります。「補聴システム」を備えていれば、こういったことにも対応できるのではないでしょうか。

 先ほどの聴力障害者福祉協会の方も、「ホールがあるところに設置されればありがたい」と、言っておられました。

 全国的には、ホールや会館、劇場、福祉施設、学校、スポーツ施設、図書館などに設置されている例はたくさんあります、

★Q10 そこで質問です。立花フェスタや、地区会館、公民館など、貸館に設置、もしくは移動型を装備し、だれでも希望者には貸し出すようにしてはどうでしょうか。

 また、公共施設の建て替え、新設時には、集団補聴システムの設置をすべきだと考えますが、ご答弁をお願いします。


健康福祉局長答弁
 本市におきましては、兵庫県福祉のまちづくり条例に基づき、集団補聴設備等などを含めた施設の整備をすすめてきております。

 各種の整備基準については兵庫県福祉のまちづくり条例施行規則第6条に関する別表第3におきまして、公益的施設及び共同住宅等め施設に関する整備基準が定められております。

 その第1項第13号において、固定式の観覧席又は客席を設ける室のある劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂又は集会場である建築物で用途面積が1,000平方メートル以上であるものについては、集団補聴設備等の難聴者の聴力を補うための設備を設置することとされておりますが、本庁舎や立花フェスタ、地区会館等は、対象となっておりません。

 移動型の集団補聴システムの導入につきましては、各施設における貸館としての利用実態や、先に述べました集団補聴システムのメリット、デメリットを踏まえる中で、導入の可否を含め、検討してまいります。

4 緊急通報システムについて top↑
  障害者などへ対象者の拡充を top↑

 【辻おさむ議員】

 次に、緊急通報システムについて伺います。

 緊急通報システムは、 ひとり暮らしの高齢者などに無線発信機の家庭用機器を貸し出し、高齢者が急病や事故などで緊急に通報が必要なときに協力者に知らせるシステムで、高齢者の日常生活の安全確保と不安の解消をはかることを目的にしています。

 平成20年度の尼崎市の事務事業評価によりますと、「緊急通報システム」は、市関与の必要性や、上位施策への有効性は、もっとも高い「4」、総合評価でも 「このまま継続して事業をすすめることが適当」とされています。

 しかし、利用者は、2006年度で820人、2007年度で770人、そして2008年度には、766人と、年々減る傾向にあります。

 さて、先日、ある障害者の方から相談を受けました。以前から障害をお持ちなのですが、「年もとってきたので心配だ。この緊急通報システムを使えないか」と、社会福祉協議会に相談にいくと、「あなたは65歳になっていないのでだめです」といわれました。

たしかに、この緊急通報システムが利用できる対象者は、

 @65歳以上の高齢者単身世帯

 A65歳以上の高齢者と要介護の障害者のみの世帯

 B 65歳以上の病弱な高齢者のみの世帯――となっています。

 65歳以下のこの方は、当てはまりません。

 そこで私が、障害福祉課に問い合わせましたら、「緊急通報システムは高齢福祉課の担当で、障害者むけの制度はない」ということでしたが、「たしかに研究課題ではある」との認識でした。

 このシステムを、65歳に満たない障害者に対象を広げても、そんなに予算が増えるとも思えません。 

 緊急通報システムは日常生活の安全確保と不安の解消だけでなく、災害時の救援・避難対象者の把握にもつながります。

Q11 そこで質問です。緊急通報システムの対象者を65歳以下の障害者に広げるか、あるいは、障害者むけの緊急通報システムを実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。

健康福祉局長答弁
 本市における緊急通報システム普及促進事業は、65歳以上の単身世帯等を対象に高齢者施策として実施しており、現在、尼崎市社会福祉協議会が受件窓口となっております。

 障害のある方につきましても、高齢者と同様、日常生活の安全確保と不安の解消を図る観点で、緊急通報システムは有効であると考えられることから、他都市の 先行事例を参考にする中で、検討してまいりたいと考えております。

5 公共施設のあり方について top↑
  問題が多い「提言」、市民的検討を top↑

 【辻おさむ議員】

 次に、公共施設のあり方について伺います。

 今年3月、「公共施設の今後のあり方に係る施策評価委員会」から尼崎市へ「提言」がだされました。
 提言は、見直しの方向として、

 @設置目的、存在意義が薄れている施設の廃止、

 A既存施設の統廃合、一元化、多機能化・複合化による集約

 B効果的・効率的な管理運営等

 C老朽化等への対応―――の4つを示しました。

 その上で個別施設について、総合センターは「存続」、労働福祉会館・労働センターは「廃止」、地区会館・地区公民館は集約による館数の削減、公民館分館は、地域への移管による16館の廃止を提言しています。

 この提言は、いくつかの問題点があると考えます。

 一つには、施設数を中核市で比較していますが、尼崎は、人口比で「少ない」としながらも、市域面積でくらべて「かなり多い」と断じています。

 会館の必要数は、面積で図るものでしょうか。人口が多ければ、それだけ会館を利用する人が増えるのは当然です。市民の必要、利便性からの分析ではなく、会館数を減らさんがための分析といえます。

 二つ目は、不公平という点です。会館数が多いのは、総合センターです。歴史的役割が終わったのに、6館もある総合センターを「存続」としながら、労働者福祉の拠点として市内に1館しかない労働福祉会館を「廃止」というのは、理解できません。

 また、2008年度の利用率が12.6%の総合センターを「存続」させ、26.1%ある労働福祉会館を「廃止」するのは、道理がありません。

 三つ目には、市民の意見が反映されていないことです。
 5月1日、記念公園で統一メーデーが行われました。主催者が、労館廃止について特別に発言し、「なんの相談もない。学者の机上の計画」と言われていたのは、副市長もお聞きのことだと思います。労館を利用している多くの市民は、まだ何も知らされていません。

 四つ目に、労館の機能・役割について、市民の認識と合致しているでしょうか。
 提言では、「労働団体、公益団体の利用より、グループ・地域団体の利用が多い」として、設置目的、存在意義が薄れていると評価しています。

 これは、尼崎市が労働者福祉の増進を図るための施設として「充分活用してきたのか」ということが問われている問題です。

 また、社会状況の変化により、多くのグループ・団体が利用してきたのも事実ですが、貸館としての役割で言えば、労館ほど市民に親しまれている会館はありません。

 尼崎の中央部に位置し、交通の便もよく、全市的な集まりに適しています。「労館」といえば、タクシーも心得て行ってくれます。大小の会場を備えていることも、いろんなグループが利用するにも便利です。

 大ホールは、安価で利用でき、全体の占有率は35.6%ですが、日曜日ともなれば午前・午後とも88.5%の占有率に及びます。

 音楽室は、全体の占有率が48.3%ですが、夜間の占有率は68.5%、曜日によると96.1%や94.1%など、ほとんどあいていない状況です。まさに、市民の文化活動を支えているといえる音楽室ですが、提言では、「行政が担うべきかどうか、整理する必要がある」として切り捨てようとしています。

 なにより、尼崎市行政自身が、労館をつかって行事を催しているではありませんか。学校行事での利用もあります。

 結局、労館、労働センターの「廃止ありき」の提言といわなければなりません。

 ここで、思い起こされるのが、市民プールです。充分な補修をせず、古くなって使えないからと、廃止されてしまいました。

 労館は、昭和41年の竣工で、かなり年月が経っているのは事実です。しかし、市内の公共施設は、労館に続く、5年、10年の間にかなり建設されており、労館に続いて、古くなってくる建物がたくさんあります。

 これでは、古くなった建物から廃止していくということになりかねません。

Q12 そこで質問です。市当局は、今回の提言をどのように受け止めているのでしょうか。また、個別の施設のあり方の前に、今後の公共施設のあり方について、市民的な検討が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

企画財政局長答弁
 構造改善を早急に推し進め、歳入の一般財源に見合った事業規模に縮小していくためには、将来的に維持管理コストがかさむ公共施設の見直しは、避けて通ることができない課題であると考えております。

 公共施設の見直しを行うにあたりましては、第三者機関や市民に意見を求めながら、進める必要があると考えますことから、まずは、第三者機関である施策評価委員会にお諮りしたものでございます。

 施策評価委員会では、様々な視点から、熱心に論議いただくなか、今年の3月末に、公共施設全般並びに総合センターや労働福祉会館等の個別施設について、提言をいただいたものでございます。

 いただいた提言につきましては、公共施設の今後のあり方について、本市の財政状況や今日的な社会情勢等を踏まえ、将来に亘って必要な行政サービスを持続させるための取組として、公平・中立な立場から、客観的なご意見をいただいたものと考えております。

 今後は、この提言を踏まえ、市としての考え方を整理し、公共施設の見直しの方針を策定していきたいと考えておりますが、その際には、施設の運営審議会や市民説明会等の場を活用し、適時、市民の皆様のご意見も伺いながら、進めてまいりたいと考えております。


  労働福祉会館・労働センターの労働者福祉・労働行政の拠点としての役割・機能は top↑

辻おさむ議員】

Q13 また、尼崎は、中小企業のまち、労働者のまちと言われてきました。中小企業振興の拠点としては、中小企業センターが役割を担うとしても、労働者福祉・労働行政の拠点としての役割・機能は、どのように考えているのでしょうか。お答えください。

産業経済局長答弁
 現在、雇用情勢の悪化など労働者を取り巻く情勢は未だに厳しい状態が続いており、また、労働力人口の減少、若年層の早期離職や就労支援、労働力需給のミ

スマッチなど、雇用・就労問題を中心としたソフト面での対策が強く求められていると認識しております。
 しかしながら、これまで役割を担ってきました労働福祉会館につきましては、老朽化が著しく、施設設備が限界にきていることもあり、施設のあり方について

、労働福祉会館運営審議会や関係団体等の意見をいただきながら、現在、協議検討しているところでございます。

  最後に top↑

 【辻おさむ議員】

 今年7月から、会館使用料が値上げされます。市当局は、「原価率」を言いながら、利用率向上策は示されないまま、値上げだけが決められました。市民サービスの向上、利便性など利用促進の方策も必要ではないでしょうか。

「集団補聴システム」は、小型や移動式であれば、そんなにお金はかからず、高齢者にも便利です。

 まず、今ある機材を最大限利用できるようにすることが大切です。

 小学校に眠っている機材は、教育委員会所管の公民館などにすぐに使えるではありませんか。

 受信機をそろえ、立花フェスタなど、いくつかの施設で試験的に実施する方法もあります。

 実際に使いながら利便性を検証し、公共施設に常備する方向で充実すべきです。要望しておきます。
 
 緊急通報システムは、高齢者が増えているのに、利用者が減っています。

3人の協力者を探すのも大変な高齢者には、地域包括支援センターや、ケアマネージャーとの連携もするとか、直接、市社協への申し込みや、各支所への受付など、事務の簡素化を進めるよう、要望しておきます。

 私は今回、障害者向けのシステムを、高齢者にも利用しやすいようにする、また高齢者向けシステムを障害者にも使いやすいように拡充することを提案してきました。

 庁内に蓄積され、検証されたシステムを、縦割りの壁を乗り越えて活用して行くことを要望して、すべての質問を終わります。ありがとうございました。

区切り線
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2010年7月17日 更新
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