9月16日にはじめての一般質問を行いました。
ご協力いただいた方々や、傍聴に来ていただいた後援会の皆さんに感謝いたします。ありがとうございました。
 質問の要旨を紹介します。
(当局答弁は、正式の議事録でなく、メモによる要旨ですから、若干違いがでる場合があります)
2005年9月市議会 一般質問
  競艇場のあり方について
  市営琴浦住宅の跡地活用について
競艇場のあり方について(05年9月16日 一般質問)

1、今年、およびこれからの競艇事業の見通しについて

2、尼崎競艇場でのナイター開催計画は断念せよ

3、年間180日の開催日程を越えないこと

4、市営琴浦住宅跡地の利用については、広く住民の意見を聞くこと

5、競艇場は大きな曲がり角にきています。



 おはようございます。日本共産党議員団の辻おさむです。

 初めての質問です。よろしくお願いいたします。

 私は、競艇場の問題を中心に質問をしてまいりたいと思います。これまで、菅村前市議が繰り返し競艇場問題をとりあげてまいりましたが、大庄地域における大きな問題ですから、ひきつづき私が取り上げてまいりたいと思います。

1、今年、およびこれからの競艇事業の見通しについて

 さて、尼崎競艇場は、1951年(昭和26年)に、都市化が進行するもとで、広大な大庄湿地帯の開発として建設されました。
 湿地帯の一部を掘り起して競艇場を建設し、その収益は切迫していた市財政を潤し、掘り起された土で湿地帯を埋め立て、公園や、成徳小学校、明倫中学校、公営住宅などの用地が確保されました。
 その開発費用は、競艇場からの収入が充てられ、1957年(昭和32年)には、大庄湿地帯の開発費用も回収できました。そのときに、競艇場を存続させるかどうかの検討が行われ、当時、大変遅れていた中学校の施設整備の費用として競艇場の収入を充てることとされました。そして学校のプールの整備が進められました。

 さらに、1960年(昭和35年)には、財政再建計画期間が終了することにともない、競艇事業を存続するかどうかで、市民の世論が二分される大議論が行われました。そのときの理由の1つには、競艇場の存続は「一般市民、青少年におよぼす影響が大きい」ことが懸念されています。

 市民的な大議論のすえ、1964年(昭和39年)に尼崎市議会で競艇場廃止の修正案が否決され、存続することとなりました。その際、「競艇等の収益にたよらなくても地方財政が運営できるよう」財源措置を国に求める意見書が採択されています。

 しかし、その後の歴代市長は競艇場からの「あがり」を市財政の「ドル箱」として活用しました。下水道建設事業に使われ、下水道の普及が大きく前進しました。ここまでは、まだ良かった。その後は、「都市整備に使う」という名目にされ、同時に大型開発が進められてきました。尼崎市は、収益金の使い方として、福祉、衛生、交通安全、住宅、教育などに使っているという説明もありますが、一般財源の中での話ですから、同じことです。大型開発が進めば、市債も膨れ上がります。こうなれば、都市整備、すなわち大型開発推進のために、競艇場からの「あがり」を「減らすな」「もっと増やせ」ということに力点が置かれ、競艇は、もともと博打であること、周辺住民に迷惑をかけているということが、忘れ去られているのではないでしょうか。

 1990年(平成2年)には、競艇場事業収入からの一般会計への繰り入れは、145億円を記録し、ピークに達しました。しかし、その後、長引く不況を背景に年々収入は減少の一途をたどり、2000年(平成12年)には、34億円にまで落ち込み、危機感を募らせた前の市長は2000(平成12年)に「21世紀競艇プラン検討会」を設置し、売り上げ増の方策を探ろうとしました。

 その「21世紀競艇プラン検討会」で出された提言では、競艇のレジャー化と、ナイターレースの開催、駐車場の整備、ビールの販売などが打ち出されました。

 レジャー化の努力、ビールの販売などは実施されました。
 しかし、その後も売り上げ、収入は減り続け、昨年の一般会計への繰り入れは24億円にまで落ち込み、今年度の予算での見通しは、繰り入れ予定が11億円となっています。昨年度より13億円減という見込みです。

 本年3月の日本共産党議員団の代表質疑で、今後の見通しと対策について市長の見解をお聞きしたところ、「激しい売り上げ減少の中で」「経費の削減」「収益の確保につとめる」とともに、「こうした取り組みを超える収益構造の改善が必要な時期に来ている」との認識のもとで、「可能な限り、早い時期に経営改善計画を策定し、コスト構造の改善にとりくむ」とのことでした。

【質問1】そこで質問いたします。今年度は、すでに半年が経過しています。現時点での今年度の売り上げ、収益の見通しはどうでしょうか。当初予算では、1日売り上げ3億円を見込んでいますが、平成16年度の損益分岐点は1日売り上げ3億2千万円であり、ほぼ3億円前後ですが、本当にギリギリのところにきています。損益分岐点以下に落ち込んだ場合、つまり赤字になったらどうするのでしょうか。税金を投入してでも続けるのでしょうか。

 また、経営改善計画は、いつ、どういった体制で策定しようとしているのでしょうか。お答えください。

(産業経済局長答弁)

 今年度におきましては、9月5日現在で56日開催し、この間の本場の1日平均売上は、約2億7400万円でございます。
 今年度当初予算における損益分岐点は、約2億7300万円と見込んでおりますので、現時点においては、ほぼ同額となっております。
 なお、競艇事業の収益は、本場のみならず、ボートピアの収益や施設及びボート・モーターの貸付料などで構成されております。
 これらをトータルして、仮に赤字となった場合に税金を投入してでも続けるのかというご質問でございますが、それは事業の性格上、許されないものと理解しております。

(産業経済局長答弁)

 経営改善計画は、抜本的にコスト構造を改善し、継続的安定的に収益を確保することをねらいとし、現在、公認会計士からの助言も得ながら、策定に向けて公営事業所職員で取り組んでいるところでございます。

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2、尼崎競艇場でのナイター開催計画は断念せよ

 次に、ナイター競艇の問題です。

21世紀競艇プラン検討会」の提言は、競艇をレジャーと位置づけ、新たなファンの獲得と、リピーターの確保を求めています。
 しかし競艇は「ギャンブル」です。だからこそ自治体にしか開催が認められていません。ギャンブルは公営でしか出来ないんです。
 しかも、尼崎の場合、市街地に競艇場があり、学校など教育施設も周辺にたくさんあります。周辺住民に迷惑をかけていることを忘れてはなりません。

 私は、先日、7月31日のナイターレースの舟券販売終了時に、周辺の住民のみなさんと調査に出かけました。夜の9時に、4000人がいっせいにあふれ出て、自転車やバイク、自動車で道路がいっぱいです。
 また別の日には、大庄武庫線沿いにある私の事務所の前を7〜8台の自転車がかたまって走っている横を、乗用車がクラクションを鳴らしながら猛スピードで走り抜ける状況も見ました。大変危険です。丁度、夜9時前のナイターレースの舟券販売が終わり、みんなが争って家路につく時間帯です。
 さらに、競艇場の近くに住む80歳代の女性は、「夜の外出は怖い」といっておられます。いまはまだ、本場でボートを走らせていませんが、それでもこの状態です。住民の意見は「舟券の販売だけだとしても、ナイターはやめてほしい」ということです。
 ましてや本場でボートを走らせるナイターレースなど、とんでもありません。

 2000年(平成12年)に実施された、東第三社会福祉協議会のアンケートでは、84%もの住民がナイターレース実施に反対を表明しています。

 尼崎市は競艇場周辺の各種団体を対象に、ナイターレースに関する基本調査結果説明会を実施しましたが、そこでも多くの反対意見や、治安への不安などが出されています。

 住之江でもナイターの導入が計画されていますが、住民の反対運動が起こっています。住宅地域にある尼崎ではなおさらやるべきではありません。

 ナイター競艇を実施するのは、照明設備などの設置が必要です。30から40億円かかるといわれています。それだけ、一般会計への繰り入れが減ることになります。
 本場のスタンド改修には、1992年(平成4年)から2000年(平成12年)にかけ、約181億円が使われましたが、その間の一般会計への繰り入れも減っています。当然です。
 いま、ナイター設備を設置しても、年間10億円前後しか繰り入れが出来ない状況では、ナイター設備にお金をかけても、それを回収できるだけの売り上げ増、収入増が見込めるのか、はなはだ疑問です。

 それを見極めるうえで、ナイター競艇を実施している他場の状況を、参考にすることが必要です。
 平成14年から16年の3年間の桐生競艇場、蒲郡競艇場、そして平成16年から実施した若松競艇場のナイターレースを比較すると、1日平均で、先行した桐生は蒲郡の実施で売上げ、入場者とも減少し、若松が実施した平成16年には、桐生、蒲郡ともに減少しているのではないでしょうか。
 実施当初は、若干売り上げが増えても、数年後、あるいは、他の競艇場が新たにナイターレースを実施すれば、落ちこんでいるのが現状です。

【質問2】そこで質問します。市長は、本年の予算議会で「ナイターレースを実施した若松競艇場の売り上げ状況等のデータを分析するなど、さまざまな角度から採算性を検証するとの見解でしたが、分析の結果、どのように見ているのでしょうか。また、ナイター競艇は、見るべき収益の増加が見込めないもとで、周辺住民の合意が得られないナイター競艇は、早期に断念すべきだと思いますが。お答えください。

(産業経済局長答弁)

 若松競艇場においては、16年度からナイターレースを開催しておりますが、売上を前年度の昼間の開催時と比較しますと、SG、GIといった特別競走を除いた場合でも、約2倍となっております。特に電話投票で高い伸びを示しており、新たにナイターレースを実施したことによる売上増が図られているところでございます。

 しかし一方で、先行してナイターレースを実施している桐生、蒲郡の両競艇場では、新たに参入した若松との競合開催に伴い、電話投票売上が減少いたしております。

 本場におけるナイターレースの開催につきましては、多額の投資を伴うことから、投資効果を見極める中で、なお引き続き、実施場の収益等を分析、検証していく必要があると考えております。
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3、年間180日の開催日程を越えないこと

 次に、競艇の開催日数と住民への説明責任の問題です。

 競艇場の開催は、尼崎と伊丹の開催で年間180日。尼崎市主催が124日、伊丹市主催が56日、ここまでは住民も我慢しています。しかし、他場で開催するレースの舟券販売を、本場で行う「専売」をふくめ、「受託」「委託」は、これまで市議会の議決が必要でした。しかし、今年からは、予算市議会で「包括的議決」が行われ、今後は議会への報告だけとなりました。

 しかし住民にとってはどうでしょうか。これまでは議案として審議され、またその採決の結果は、議会報などで知ることができましたが、今度は議案としてもでてきません。

【質問3】そこで質問です。今後は、住民にはどのように知らせるのでしょうか。また、どのように意見を聞くのでしょうか。市報での報告や、住民説明会など実施すべきと考えますが、どうでしょうか。とくに、盆、正月ぐらいは、静かな町でいたいというのが住民の願いです。そういう日程にも関わることです。盆・正月は実施すべきではないと考えますが、お答えください。

(産業経済局長答弁)

 開催日程等につきましては、これまでと同様に尼崎競艇場周辺対策市民協議会、いわゆる周辺協を通じ、十分に説明をする中で、各種団体や周辺住民の皆様への周知を図って参りたいと考えております。 なお、盆・正月の開催につきましては、周辺住民の皆様の生活環境に配慮する中で、開催してきているところでございます。

 今後におきましても、周辺住民の皆様のご理解とご協力を得ながら、引き続き、開催して参りたいと考えております。
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4、市営琴浦住宅跡地の利用については、広く住民の意見を聞くこと

 次に、市営琴浦住宅の跡地利用問題です。

 明倫中学校の跡地に武庫川、琴浦、西難波の3つの市営住宅が移設されます。いずれも老朽化による建て替えです。その中で、琴浦団地の跡地に、競艇場の駐車場を建設するという噂がでています。「噂」といったのは、住民の中では、あたかも決定したかのように思っておられる人がいるんです。聞いてみると、これまでは競艇場、あるいは尼崎市が言い出したら、住民が反対しても実施してきたことが多い、だから駐車場もやるんだろう、ということなんですね。

 これは尼崎市の姿勢が問われているし、住民には正確なことを知らせる必要があると思います。

【質問4】そこで質問です。駐車場の整備は、たしかに「21世紀競艇プラン検討会」の提言でも出されていることですが、琴浦住宅の跡地への駐車場建設は、決定したことでしょうか。お答えください。

(特命担当局長答弁)

 市営琴浦住宅の移転後の跡地活用につきましては、明倫中学校跡地も含めた地域一帯での将来的な土地利用や、地域の活性化に寄与する総合的なまちづくりの視点に立って検討していかなければならないと考えております。

 センタープールの駐車場につきましては、かねてから地域の生活環境の向上等の観点から、住宅地に点在する駐車場の集約化等が課題となっておりますが、こうした地域課題についても、一体的な土地利用やまちづくりといった中で、検討してまいる必要があると考えております。


 市営駐車場の集約が、地域環境対策だとしても、周辺には民間の駐車場もあり、市営の駐車場を1ヵ所に集中したところで地域に乗り入れる車はなくならないし、かえって道意線の渋滞をまねく結果となることは明らかです。

 現在のように一般会計への繰り入れが減っているなかで、お金をかけて駐車場を建設する経済効果があるのかどうか、疑問です。

 明倫中学校がなくなりました。大庄西中学校と大庄東中学校も統合されます。大庄地域からは、次々に学校がなくなっています。ダイエー出屋敷店の撤退で道意町周辺など大庄地域のお年よりで大変不便になる人も多くいます。

 学校跡地の活用については、単に財政的な資源とするだけでなく、大庄地域のまちづくりの観点からの検討が必要だと思います。

 こうした中で、明倫中学校の跡地利用については、2回にわたって住民の意見を聞く機会を設け、その結果、売却するとしてもファミリー世帯を対象にした集合住宅、建物の高さも7〜8階におさえることなど、充分、不十分はあったとしても、住民の意向が反映されたものと考えます。

【質問5】そこでお尋ねします。市営琴浦住宅の跡地について、闇雲に駐車場というのではなくて、何よりも住民の意見を聞くべきであると考えます。市長のご所見を伺います。また、跡地活用を考えて行く上で、どのような方策、やり方を考えておられるのか、お答えください。


(特命担当局長答弁)

 琴浦住宅跡地の活用につきましては、地域課題の解決、地域の活性化、総合的なまちづくりといった視点に立って、地域住民のご意見も聞きながら、有効かつ効果的な活用策を考えてまいります。
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5、競艇場は大きな曲がり角にきています。

 「21世紀競艇プラン検討会」の提言は、いかに売り上げを増やすか、いかに収入を増やすか、というのが主な内容でした。5年前の状況ですから、その当時は、一般会計への繰り入れが40億円台から30億円台へと落ち込み、その危機感がありました。

しかし、現状は、その希望的予測を超えて急激に落ち込んでいます。
 この間に、小泉内閣による「構造改革」がすすめられました。
 健保サラリーマン本人3割負担の導入、物価スライドによる年金額の削減、厚生年金保険料の引き上げ、所得税の老年者控除廃止、公的年金等控除の縮小・廃止、消費税の免税点引き下げなどが行われました。
 大企業は史上空前の大もうけをする一方、国民の所得は減らされつづけてきました。

先日行われた総選挙の結果は、与党の大勝におわりました。

小泉内閣による「改革」という名前の「庶民いじめ」の政治に拍車がかかることが懸念されます。早晩、サラリーマン増税、消費税増税が現実味を帯びてきます。庶民のふところは、ますますさびしくなります。

 
競艇ファンの多くは、そうした「改革」の影響を受ける人たちです。この人たちの収入が奪われて、競艇場だけ収入が増えるはずもありません。このままでは、事態はますます深刻になると見るのが当然でしょう。

競艇場は、事業全体が大きな曲がり角にきているのではないでしょうか。

【質問6】企業の収益が増えても、庶民のふところを暖めることに直結しない仕組みが作られてきている中で、今後の競艇事業の中・長期の見通しをどう考えておられるのでしょうか。年間を通じて、収益が11億円という現状です。これ以上落ち込めば、赤字に転落です。まさに、焦眉の課題だという認識はあるのかどうか、市長の考えをお聞かせください。そして、日本共産党議員団が予算議会で提起した抜本的見直しの必要性について、市長のお考えをお聞かせください。

(産業経済局長答弁)

 現時点におきましては、売上の減少傾向は、なお当分の間続くものと危惧いたしておるところでございます。
 このままの状況で推移すれば、収益の確保が厳しい事態を招<ことも予想されることから、これまでの取組を超える収益構造の改善を早急に進める必要があると認識いたしております。
 従いまして、経営改善計画を策定し、抜本的なコスト構造の改善に取り組んで参りたいと考えております。


 競艇場のあり方は、市民生活、なかでも大庄地域の住民、まちづくりにとって大きな問題です。まさに市民的な検討が必要だと考えます。

競艇関連の情報、意思形成は、これまで尼崎競艇場周辺対策市民協議会(いわゆる「周辺協」だけが、住民代表の扱いをされてきました。周辺協は、議事録も公開されず、住民にたいして意見を聞いたり、報告する義務のない団体です。一部の幹部だけで、競艇関連の住民意思だとする時代は終わりました。
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【質問7】そこで質問です。競艇関連の情報、意思形成は、広く住民の声を聞くことを基本とするべきであると考えますが、いかがでしょうか。

(産業経済局長)

 競艇場の事業運営に関わる問題につきましては、周辺協を通じ、機会あるごとに情報を提供し、周辺対策等について地域住民の意見・要望をお聞きしているところでございます。
 また、周辺地域の各種団体とも適宜話し合いを持ち情報提供に努めてきております。
 今後におきましても、こうした姿勢のもと、より広<住民の声をお聞きし、事業運営に活かして参りたいと考えております。
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                  (終わり)

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2005年9月18日 更新
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