2010年12月議会 本会議 代表質問


 2010年12月17日に本会議で代表質問をしました。
 内容をお知らせします。


代表質問は、市長選挙直後に、市長が交代した場合にのみ、新市長の所信表明演説にたいして行われるものです。
2010年12月17日
1-1●市長選の結果について
1-2●政治姿勢について
1-3● 社会認識・経済認識について
1-4● 「新しい公共」
1-5 行財政構造改革推進プランについて
1-6●人事制度について
1-7 職員組合との関係について
1-8● 市民との対話について
1-9● 市民の声にたいする政治信条は
1-10●公立保育所の民間移管計画について
1-11●「子ども・子育て新システム」について
1-12●労働福祉会館、労働センターについて
1-13県道園田西武庫線について
1-14●政治団体について
2-1●経済認識について(2問目)
2-2●住宅リフォーム助成制度について
2-3●「新しい公共」について(2回目)
2-4●県道園田西武庫線
2-5●県立新病院建設について
2-6西武庫交通公園について
2-7●中学校給食について
2-8●こどもの医療費について
2-9●国民健康保険について
2-10●国保広域連合について
2-11●公契約条例について
2-12●平和市長会議への参加について
2-13●原爆被害者への補助金
2-14●市バス敬老パス無料制度復活について

2010年12月議会での代表質問
第1回登壇   top↑
はじめに top↑
 おはようございます。辻おさむです。

 日本共産党議員団を代表して、稲村新市長の所信と政治姿勢について質問します。

 稲村市長とは、これまで平和問題や様々な場面で一緒にやってきたこともありますが、考えの違うものも当然あります。

 市長自身は白井前市長と同様、「与野党をつくらず、市民に見えるところできっちりと議論をする新しい取り組みを引き継いでいく」と答えておられます。

 私たちは、市民の願いに合致し、政策や考えが一致するものは大いに支えていくし、市民の願いに反するものには反対し是正をもとめる「是々非々」の立場で臨んで行きたいと思います。よろしくお願いします。
1-1●市長選の結果について top↑
 まず、市長選挙の結果についてです。

 前回市長選挙で白井市長が10万票とりましたが、そのことにより、マスコミ報道では、ある市幹部が「手をつけられなかったところまで、行革を徹底的にやる(11月12日朝日新聞)」と決意したということであります。

 昨日の質問で答弁がありましたので、割愛しますが、稲村市長には、市民生活の苦しさや、閉塞感に見舞われている多くの住民の声を真摯に受け止めていただきたいと思っています。そのことを指摘しておきます。
1-2●政治姿勢について(いわゆる「しがらみ」について top↑
 つぎに、政治姿勢について、うかがいます。

 まず、白井・前市長との関係についてです。

 白井・前市長は、マスコミの質問に答えて、退任後の市政との距離感について「前の人があまり出しゃばっていったら嫌われる。控えめにしたい。(11月26日朝日)」といっておられます。つまり、出しゃばらない程度に「口を出す」とも受け取れます。当然、ブレーン(頭脳)は必要でしょうし、前任者、先輩の意見は貴重です。問題は、新市長が、それをどのように受け止めるかということです。意見が違ったとき、全面的に支援をうけた前任者の意見を無視できないのであれば、世間はそれを「しがらみ」といいます。

 Q、そこでお聞きします。
 前市長の応援をうけて当選された新市長として、前任者とどのような距離感をおかれるのか、お尋ねします。


 ▲稲村市長答弁
 今後の市政運営にあたりましては、当然のことながら、私自身が市長として自らの考えで判断していくものでございます。

1-3● 社会認識・経済認識について top↑

 つぎに、現在の社会認識、経済認識について伺います。

 市長は、「成熟社会にふさわしい尼崎のまちづくり」ということを言われています。

 たしかに、今の社会は、経済不況、少子化問題、高齢化問題、人口減少問題など、多くの問題を抱えています。しかし、現状の問題点を容認したうえで、対処しようとされているのではないでしょうか。対処はできても、解決できない、その方向がみえてきません。

 Q,また、今の日本と本市をとりまく経済状況を、どのように認識されているのか、お聞かせください。

 ▲稲村市長答弁
 平成20年秋のリーマンショックにより、世界経済は、急速かつ大幅に落ち込み、その後、21年の春頃には下げ止まりを見せているものの、企業の業績は一進一退を練り返しており、完全に景気が回復したとは言い難く、なお先行きが不透明な状況が続いております。

 一方、雇用環境につきましては、失業率は、なお高い水準で推移しており、本市の有効求人倍率を見ても、厳しい状況が続いているところであります。

 こうした経済の低迷や雇用環境の悪化は、貧困や失業などを生み出すばかりでなく、法人市民税をはじめとした税収の落ち込みなど、本市行財政にも大きな影響を与えるものであると認識しております。

1-4● 「新しい公共」 top↑
 つぎに、施策の基本について、伺います。

 Q,まず伺います。
 市長は、「新しい公共」といっておられますが、市長が言われる「新しい公共」とは、どういったことを指すのでしょうか? 

 政府がいう「新しい公共」とは、違うものなのでしょうか? 所見をお聞かせください。


 ▲稲村市長答弁
 私たちを取り巻く環境が大きく変化し、また、個人の価値観も多様化する中で、国においては、行政と住民や事業者、NPOなど、多様な主体が、より良い社会の実現に向け、連携、協力していく仕組みとして、「新しい公共」についての議論がなされてきました。

 私の思い描く「新しい公共」は、基本的には、「新しい公共」円卓会議で議論されてきた方向性に沿ったものであり、地域の多様な主体が、それぞれの強みを活かして、実際のまちづくりを進めていく仕組みを構築し、サービスの向上や雇用の創出、地域の活性化などにつなげていこうとするものであります。

1-5◎ 行財政構造改革推進プランについて top↑
 つぎに、「あまがさき行財政構造改革推進プラン」について伺います。

 行財政構造改革推進プランは、5年計画で、すでに3年が過ぎようとしています。

 同プランは、めざすべき財政健全化のレベルとして「レベルV」すなわち、「見かけ上の収支だけではなく、財源対策を講じなくても歳入に見合った歳出規模となり、実質的な収支均衡の確保が図られている」ことを目標にしています。

 しかし、あと2年で、そこまで到達することは、無理ではないでしょうか。

 日本共産党議員団は、当初から、5年でレベルVに達することは不可能であり、行財政の改善は、5年期間を延長し緩やかにすべきとの見解でした。加えて、構造改善を急ぐあまり、市民との対話、納得を得ずに、強引に推し進めたことで、多くの問題が生じていると認識しています。

 Q,そこでお聞きします。
 あと2年でレベルVに到達することは、不可能だと思いますがいかがでしょうか。不可能だとすれば、行財政構造改革推進プランを抜本的に見直すべきではないでしょうか、お答えください。


 ▲稲村市長答弁
 行財政構造改革推進プランの取組につきましては、人件費の抑制や様々な事務事業の見直しなど、数多くの改革改善を行い、現時点において、当初の計画を上回る構造改善効果額が計上されたものの、今なお多額の収支不足が生じている状況にあります。

 そうした状況を踏まえますと、計画期間の平成24年度までに、「財源対策を講じなくても実質的な収支均衡を図る」といった当初の目標を達成することは、率直に申し上げて非常に困難な状態であると考えております。

 行財政改革の取組は、先送りすることのできない重要な課題であり、現行プランの基本的な考え方を継承しつつ、斬たな視点や仕組みなどについて、できるだけ早期に検討していきたいと考えています。

1-6◎人事制度について top↑
 つぎに、市長が「新しい仕組み」といわれている中の、職員のやる気、人事制度について伺います。

 市長は、「人事制度を全面的に見直し、正規・非正規に関わらず、幅広い職員のやる気、意欲を引き出す仕組みの研究・導入をすすめます」と述べておられます(わいわいニュース)。

 しかし、今議会では、給食調理員の嘱託職員の削減と退職勧奨を前提とした議案がだされています。あなたの市長としての最初の仕事が、嘱託職員の肩たたき・雇い止めとなるわけです。あなたが議案を出す前に、「ちょっと待って」ということも出来たわけです。

 白井市長は、就任直後、プログラムのいくつかの項目を改善・修正したと思いますが、あなたはそれをしなかったわけです。

 Q,そこでお尋ねします。
 非正規職員もふくめた職員の意欲、やる気をどう喚起しようとしているのでしょうか?お答えください。


 ▲稲村市長答弁
 厳しい財政状況の中、さらに改革を進めていくためには、これまで以上に職員の意欲・能力を高め、正規・非正規にかかわらず全職員一丸となって市政運営を進めていく必要があります。

 そのために、職員のやる気・意欲を引き出す人事制度の構築が必要と考え、公約に掲げてきたものです。

 仕組みの研究や導入にあたっては、他都市の先進事例も参考としながら、まず職員との意見交換を十分に図り進めていきたいと考えております。

1-7◎ 職員組合との関係について top↑
 つぎに、市職員労働組合との関係について伺います。(労使交渉の公開)

 市長は「すべての労使交渉や、企業との取り引きに関する情報などを原則公開する」といっています。私は、一般的には、情報公開は進めるべきだと考えています。しかし、現在、職員労働組合との交渉は、市給与課発行の「論点」で報告されていますし、ホームページにも掲載されています。

 また、交渉の公開は、相手の同意あってのものだとの態度を、市当局は。とってきていると理解しています。

 Q,そこでお聞きします。
 市長が言う、「労使交渉の公開」の意図と考えはなんでしょうか。職員労働組合の同意はあるのでしょうか?


 ▲稲村市長答弁
 ご指摘のとおり、これまでも、市職労との交渉内容については、市民に対する透明性を高めていくことを目的として、要点筆記の交渉録である「論点」を本市ホームページにおいて公開しています。

 今後、市民に対するさらなる情報公開を進め、より透明性の高い労使交渉とすることで、市民からの信頼を高めることを目的として公約としたが、労使での合意事項でもありますので、市職労に申し入れを行いたいと考えています。

1-8● 市民との対話について top↑

 つぎに、市民との対話について、伺います。

 市長選にあたり、「いなむら和美のチャレンジ提案」として、市民との対話は、「白井市長の取り組みを継続」「出前方式等を検討し、対話の機会をさらに充実」とあります。

 直接、市長が市民と対話することは、よいことかもしれません。

 しかし、それだけでは足りません。

 市民がいくら意見や要望を言っても、それが取り上げられないのであれば、「聞く耳を持たない」ことと同じです。最近のパブリックコメントへの処理状況をみても、市に都合のよいことは取り入れるけれど、市民の要望がつよくても、「もう決めたことだから」と検討さえ、されないことも見受けられます。現在、審査されているカラス被害への対応もそのひとつでした。

 Q、そこで質問です。
 市長の市民との対話の基本姿勢について、お聞かせください。


▲稲村市長答弁
 私が目指す、「信頼と分かち合いによるまちづくり」、「市民自治によるまちづくり」を進めていくためには、市民の皆様に対して分かりやすく情報を公開し、共有化を図るとともに、丁寧な対話と参加を基本姿勢として取り組んでいくことが重要であると考えております。

 そのため、身近な場所で直接市民の皆様と対話する市長室オープントークや車座集会を引き続き実施していく考えですが、例えば、子育て世代を対象としたり、世代別にテーマを設定して開催するなどによって、より幅広い方々のご意見をお聞きする機会の拡充を図っていきたいと考えております。

1-9● 市民の声にたいする政治信条は top↑

 兵庫県は、新行革プランの一環として2008年に、県立塚口病院を廃止して、尼崎病院に統合する案を発表しました。これにたいし、市民8万人が「県立塚口病院をなくすな」という請願を県議会に提出しようとしましたが、当時の尼崎選出の県会議員の誰1人として、紹介議員になりませんでした。県議会の場合、紹介議員がいないと、受け付けさえ出来ない仕組みになっています。

 Q、そこでお聞きします。
 当時、県会議員であった市長も、この請願署名の紹介議員にはならず、県議会での議論を保証しなかったわけです。市長はいたるところで「市民の意見を聞きながら」とか、「市民と考える」、「市民と議論する」といっておられますが、市民の声にたいして、どういった政治信条をもっておられるのでしょうか? お聞かせください。


 ▲稲村市長答弁
 私は、市民が自ら担い動かす市民主体のまちづくりをすすめて行きたいと考えております。

 そのためには、誠実に市民と向き合う姿勢を基本に、丁寧な対話に取り組み、課題や目標などを共有しながら、市民と共に取り組むことが、重要だと考えております。

 なお、県会議員の紹介議員について、質問のなかで触れていただきました。紹介議員につきましては、誓願の採決にあたりましては、当然のことながら、その願意にもとづき判断してきたものでございます。

 県立塚口病院の請願につきましては、ちょうど、その請願の時期に県のほうでも外部委員会を設置し、更なる検討を行うとされたことから、ひきつづきその検討結果をみてから判断する必要があるとの考えから対応したものでございます。

1-10◎公立保育所の民間移管計画について top↑

 市民との対話で問題になっているのが、公立保育所の民間移管問題と、労働福祉会館・労働センターの廃止問題です。

 まず、公立保育所の民間移管計画について、お聞きします。

 大島保育所の保護者が、尼崎市を相手に民間移管計画の撤回をもとめて裁判を起こして2年半になります。12月14日に結審し3月に判決となりました。

 当時、いろんな理由で 裁判の原告にはならなかった、なれなかったけれども、大島保育所の民営化に反対した保護者は、65世帯中60世帯でした。

 さて、選挙期間中、「公立保育所の廃止・民営化を考える尼崎保護者ネットワーク」=通称「あまほごネット」が候補者アンケートを実施されました。

 その中で、「尼崎市の公立保育所民間移管計画は 市民・議会の意見も取り入れて作られていると思いますか」との問いに、市長は、「市民、議会には様々な形で意見を述べる機会が形式的に提供されている。しかし計画策定段階から議論を開始したり、計画案を複数提示し、それぞれのメリット、デメリットを明らかにして議論を行うなど、合意形成の手法はさらに改善の余地があると考える。」と答えられています。

 この答えは、私にはよくわかりません。
 
 Q、お聞きします。
 市民の意見は、どう取り入れられたのでしょうか。

 議会の意見は、どう取り入れられたのでしょうか。

 意見を述べる機会は形式的でしか、なかったという意味でしょうか。

 「さらに改善の余地がある」ということは、不十分であったことを認めているのではないでしょうか?お答えください。


 ▲稲村市長答弁
 民間移管計画については、保護者説明会や意見交後会等において、いただいた市民意見、さらには、市議会での議論を踏まえた中で、保護者も参画する移管法人選考委員会や三者協議会の設置、保育経験者の確保など移管に係る実施基準を追加・調整し、保護者の不安解消や子どもへの影響に配慮したものと認識しております。

 なお、ご指摘のアンケートにおいて改善余地があると申し上げたのは、今後、市民に影響する計画を策定する際には、今回の経験も学びながら、より円滑な合意形成ができるよう、改善に努める必要があるとの考えからであります。

 Q、また、保護者が納得できない計画は中止すべきではないでしょうか?お答えください。

▲稲村市長答弁
 本市においては、平成10年度から19年度までに、すでに15か所の公立保育所を民間移管されました。

 さらに、今回の「保育環境改善及び民間移管計画」に基づいて、平成21年4月1日今福保育所が移管されております。
 その後、横浜市の民間移管にかかる最高裁判決を踏まえ、民間移管の実施年度を平成25年度以降とし、該当保育所の保謨者に説明を実施してきた結果、保護者の一定の理解を得られた、4保育所の民間移管の実施に伴う、保育所条例の改正を本議会にご提案させていただいております。

 今後とも不安をお持ちの保護者の方に安心していただけるよう、引き続き説明に努めるとともに、ご理解を求めていく中で、民間移管を進めていきたいと考えております。

1-11◎「子ども・子育て新システム」について top↑

 つぎに、保育問題の関連で、「子ども・子育て新システム」について伺います。

 菅直人総理は、幼稚園と保育所の「一体化」を含む法案を来年の通常国会に提出すると明言しました。

 いわゆる保育の「新システム」は保育のあり方を根本からくつがえすものです。

 これは、措置制度を「直接契約」にすることによって、保育所探しを親の自己責任に変え、低所得者にもサービスごとの「応益負担」を課す方向で、保育を保障する国と市町村の責任を投げ捨てて市場任せにするものです。

 これまで国が決めていた施設等の基準を自治体まかせにする方向も検討されています。国の基準がなくなれば、自治体ごとの格差がひろがり、現在でも低すぎる保育所基準がさらに引き下げられ、保育の質の低下が危惧(きぐ)されます。
 
 Q、そこでお聞きします。
 保育「新システム」について、どのように認識されているのでしょうか。

 保育を福祉制度から、「買うもの」=商品にしてしまう「新システム」に反対すべきだと考えますがいかがでしょうか?


 ▲稲村市長答弁
 現在、国では、すべての子どもに質の高い幼児教育・保育を保障する幼保一体化や、妊娠から育児休業、保育、放課後児童対策の切れ目のない多様なサービスの提供など、子ども・子育て家庭に対する一体的な制度としての「子ども・子育て新システム」の検討、構築が進んでおります。

 このシステムは、親の就労状況にかかわりなく、すべての子どもへの良質な成育環境を保障し、子どもを大切にする社会の実現や、出産・子育て・就労の希望がかなう社会の実現などを目指してのものと理解しており、このようなシステムの基本的な考え方については、一定の評価をしております。

 しかし、システムの実施にあたりましては、十分な財源の確保や地域の実情に応じた事業内容など、地方主権のもとに安定した事業実施が行えるような制度設計がなされる必要があると考えております。


Q、こうした動きのなかで、公立保育所の役割はますます大きくなると考えますが、「公立保育所の今後の基本的方向」を見直すつもりはありませんか? それとも、前市政を継承するのでしょうか? お答えください?

▲稲村市長答弁
 先ほど御答弁しましたとおり、子ども・子育て新システムは、親の就労状況にかかわりなく、すべての良質な成育環境を保障し、子どもを大切にする社会の実現を目指しているものです。

 この目的を達成するため、幼稚園、保育所等の垣根を取り払い新たな指針に基づき、幼児教育と保育をともに提供する(仮称)こども園に一体化するとされていますが、直近の情報では、(仮称)こども園制度の創設に加え、従来の保育所と幼稚園制度は、当面、存続されることも検討されています。

 このような中、尼崎市が策定いたしました「公立保育所の今後の基本的方向」は、公立保育所を一定数、残すことを前提に公立保育所の果たすべき役割など、今後のあり方についての基本的な考え方を示したものであり、子ども・子育て斬システムの進捗に影響を受けるものではないと考えております。

 従いまして、「公立保育所の今後の基本的方向」を見直す考えは、いまのところもっておりません。

1-12◎労働福祉会館、労働センターについて top↑

 つぎに、市民との対話の二つ目、労働福祉会館、労働センターについてお聞きします。

 さる11月6日と9日に、市民説明会が開かれました。どちらも70名を越える参加者でした。特徴は、賛成意見はひとつもでなかったことです。だれも納得しなかったわけです。

 たしかに、老朽化はしていますが、それは尼崎市が必要な補修を怠ってきたからにほかなりません。
 あわせて、市内中心部に位置し、大中小のホールと、各種の部屋を揃えた労働福祉会館は多くの市民・団体に利用されています。

 さらに、これから築40年を迎える公共施設が多くでてくるなかで、なぜ労働福祉会館だけ、個別に取り出して廃止しようとするのか、合理的な理由が見当たりません。

 一方で、市内に6箇所もある総合センターは、労館より利用率が低いのに、「存続」が打ち出されるなど、とうてい納得できるものではありません。

 市の説明会は、利用者の疑問に答えるものになっていません。

 Q、そこでお聞きします。
 市民の納得が得られない状況では、労働福祉会館・労働センターの廃止を強行すべきではないと考えますがいかがでしょうか?

 また、労館は、市民活動の拠点に発展させるべきであり、老朽化対策、位置づけを明確にすべきではないでしょうか? お答えください。
  
 ▲稲村市長答弁
 
労働福祉会館については昭和41年に建設された施設であり、建築後44年を経過し、施設設備が限界にきていることから、耐震補強工事なども含めた大規模改修もしくは建て替えが必要です。

 また、利用件数はピーク時の4割程度まで減少している状況です。

 こうした状況を踏まえ、労働福祉会館の今後のあり方については、できるだけ早期に結論を出していきたいと考えております。

1-13◎県道園田西武庫線について top↑

 つぎに、県議会議員議をしてこられた市長に、兵庫県との関係をお聞きします。

 まず、県道園田西武庫線についてです。

 県の事業であり、県議会議員として稲村市長も取り組んできたものと思います。

 さて、市長選挙にあたり、新聞社や市民団体から、候補者へのアンケートや質問があったと思います。

 その中に、「園田西武庫線を考える会」から、園田西武庫線道路整備についてのアンケートがありました。

 会の代表に、稲村市長の回答を見せてもらいました。

 道路整備計画について、「妥当」なのか「凍結を求める」のかの質問に市長は「その他」と回答されました。
その理由として説明された文書は次のとおりです。

 「この間、市の財政状況が厳しいことから、市の支出を抑えることで、事実上、園田西武庫線の道路整備事業の進度調整をし、計画を遅らせてきました。引き続き、市の財政状況を考慮しながら、市財政を圧迫しないよう計画の先送り等検討していきたいと考えています。」というものです。「進度」というのは進んだ度合いです。

 この文書の主語が、よくわかりません。まるで、市役所の誰かが書いたような文書です。

 Q、そこでお尋ねします。
 「市の支出を抑えてきた」のは誰でしょうか。稲村市長が抑えてきたのでしょうか。お答えください。
さらに、「市の財政の厳しさから進度調整し、計画を遅らせてきた」との認識ですが、この認識の根拠は何にあるのでしょうか。

 Q、お聞きします。
これまで、5年間にわたり、予算計上したのに執行できなかったのは進度調整ではなく、「兵庫県と三菱電機との補償交渉がまとまらずに至ったため」と、市当局が市議会で答弁してきていたものと理解していますが、いかがでしょうか?


 ▲稲村市長答弁
 市内で施行されている園田西武庫線を含む県施行街路事業費につきまして、事業量調整を行い、市の支出を抑えてきたのは、当然、尼崎市でございます。

 また、御園工区における三菱電機との補償交渉は、事業者である兵庫県が行っておりますが、これまで、工場施設の機能回復や移転工法などの補償交渉に日時を要したため、園田西武庫緩に係る予算執行が計画的に出来なかったと聞いております。


  Q、つぎに、県道園田西武庫線は、御園工区と、藻川工区であわせて52億円もの地元負担金となりますが、これは、未来の子どもたちにツケをまわすことになるとの認識はあるのでしょうか?

 ▲稲村市長答弁
 園田西武庫線につきましては、本市と大阪府を接続する重要な幹線道路として、本市北部における交通渋滞の解消や通行の円滑化、都市防災機能の向上に寄与することから、兵庫県が整備に取り組んでいるものであります。

 この園田西武原綿の整備に対しましては、本市も地元負担金を支出しており、その財源として、世代間の負担の公平性や事業費の平準化等の観点から市債を活用しているところです。

 この市債の償還は、今後十数年にわたり償還していくこととなりますことから、私としましては、将来の財政負担を考慮し、より一層、市の財政負担の抑制を図る必要があると考えております。


 Q、また、稲村市長は、当選後のマスコミインタビューにこたえて「市民の皆さんと市政についての情報を共有しなから事業の優先順位を議論していきたい」といっておられますが、園田西武庫線についての情報も公開されるのでしょうか? 以上、ご答弁をお願いします。

 ▲稲村市長答弁
 園田西武庫縁については、尼崎市都市計画道路整備プログラムプ等に位置付けられており、事業概要や実施時期等を広く市民に公表してまいりました。

 また、地元の社会福祉連絡協議会や園田会、地元住民を対象とした説明会などでは、事業計画や進捗状況等を説明し、情報の共有化に努めております。

 今後においても、どのような事業にどれだけのお金を使っているのか等の情報を、市民の皆様に対して、分かりやすく発信していくという考えに立ち、園田西武庫線を含めた、県施行街路事業地元負担金についても、可能な限り、情報の公開をすすめていく所存です。

1-14● 政治団体について top↑

 1問目の最後に、「無党派」の立場についてお聞きします。

 白井前市長は、どの政党にも属さず「無党派」であったと思います。

 稲村新市長は、今年の9月まで、政治団体「みどりの未来」の4人の共同代表の一人でした。現在は、今回の市長選挙出馬にあたって、代わられたのでしょうか、15人の運営委員の1人となっています。

 「みどりの未来」とは、どのような団体か。インターネット版フリー百科事典『ウィキペディア』で調べてみました。

 「国会議員を有し環境政党を標榜した『みどりの会議』の後身として国政を志向した『みどりのテーブル』と」、「地方議員のネットワークであった虹と緑が統合して発足した。」とあります。2007年の参議院選挙で、「みどりのテーブル」と「虹と緑」が、川田龍平氏を当選させたものの、川田氏が「みんなの党」に鞍替えしたので、川田氏抜きで新政治団体の結成準備を進め、2008年11月に「みどりの未来」として発足したものです。

 「みどりの未来」は、『ウィキペディア』では、「地方議会に議席を有する全国的な政治団体」に分類されています。稲村市長は、発足当時から、共同代表でした。

 2009年1月の「人民新聞」WEB版の「ピープルズニュース」=これも、『ウィキペディア』によると、「かつてテロリストグループの「アラブ赤軍」「日本赤軍」の主張を掲載し、パレスチナ闘争連帯を掲げた重信房子も寄稿した。」ことで物議をかもした新聞ですが=これに「みどりの未来」の共同代表として寄稿されています。

 その内容は、「将来的なみどりの政党設立と国政選挙への関与を目標に内包しつつも、現状ではあえて政党を名乗らず…《中略》」と述べられ、「まずは論説活動の充実と質の高いニュースレター発行による組織基盤の拡大に取り組みます。」といわれています。

 さらに「多様な人々との開かれた連携を前提に、既存政党とは一線を画した政治のあり方を模索する大きなチャレンジの再出発に、ぜひご注目下さい」といわれています。

 つまり、つい先日まで、「あえて政党を名乗らない」が、「政党設立と国政選挙への関与を目標に」かかげている「全国的な政治団体」の共同代表=党首格であったわけです。

 現在も運営委員として重要な関与をされている。これは、すでに「無党派」の域を超えているのではないでしょうか。

 Q、そこでお聞きします。
 国政をめざす地方政治団体の幹部であり、元党首格として、市長ご自身は、将来、国政を目指されるのでしょうか。 すなわち、市長の椅子は、そのステップだと考えているのでしょうか? お答えください。


 ▲稲村市長答弁
 市長の職責は非常に重いものであり、その椅子をステップにする考えはございません。


 Q、また、なぜ、市長選挙を前に共同代表を退かれたのか。「全国的な政治団体」の幹部である市長が、政治団体の理念、決定、方針にどの程度縛られるのでしょうか?お答えください。

 ▲稲村市長答弁
 首長は無所属が原則と考えており、政治団体の理念を共有することがあっても、その団体の方針に縛られることはありません。


 私は、政治団体に所属していることを云々しているのではありません。憲法に保障された思想信条の自由を守ることは当然ですし、日本共産党が最も重視していることのひとつです。

 政治家であるならば、自らの政治理念や目的を果たすために、同様の考えをもつ人々と共同し、組織・団体を構成しようとするのは当然です。それが政党の出発点です。

 また、「みどりの未来」の付属団体である「自治体議員政策情報センター」に所属しておられる元国立市長の上原公子氏も憲法9条を守る運動で大きな役割を果たしておられることも承知しています。

 ようするに、無党派であった白井市長とは違って、こんどの市長は、無党派ではなく政治団体の元党首格として政治的意図をもっておられるのかどうかということをお尋ねしているわけです。政治団体の幹部をしながら、市民には無党派だということはできないと思います。その趣旨を踏まえてのご答弁をお願いします。

 これで、第1問を終わります。
第2回登壇   top↑
2-1●経済認識について(2問目) top↑

 いろいろとご答弁をいただきました。コメントもふくめてすすめて行きたいと思います。

 経済の状況では、貧困、失業をリーマンショック以来生み出して、本市の法人市民税にも影響しているとのことでした。

 リーマンショック後の影響というのは、世界的にあるんですよ。

 日本だけが非常に厳しい状況になった、毎年、年末になると年越は県村が生まれるというような状況になっているんですけれども、なぜこうなのかということなんですね。

 1997年〜2007年の10年間にOECDの主要7カ国のなかで、日本だけがGDPが伸びていない、「成長の止まった国」になっています。また、雇用者報酬も日本だけがマイナス5.2%と、ただ一国だけ雇用者報酬が減り、「国民が貧しくなった国」になっています。そのうえに一昨年秋の「リーマン・ショック」です。

 2009年2月ごろを底にして、その後1年3カ月あまりは、鉱工業生産指数の動向等で見ると、生産が増えつづけました。大企業は、自動車や電機など輸出関連企業を中心に、純利益を4兆円から7兆円に急増させ、内部留保を1年間で233兆円から244兆円にまで膨張させました。

 この大企業の「V字回復」は、非正規労働者の大量解雇、正規労働者の賃金・ボーナスカットや退職強要、下請け中小企業の一方的単価切り下げや発注打ち切りなど、経済危機の矛盾を労働者と中小企業に押し付けた結果にほかなりません。

 雇用情勢と賃金は低迷を続けています。完全失業率は5・2%と悪化したままであり、新卒者の就職難はきわめて深刻です。雇用者報酬は、低く押し下げられたままです。

 そのうえに、歴代政府の社会保障切り下げが、国民生活をいっそう苦しいものに押しやっています。

 その結果、就職難、低賃金、長時間労働の若者が増え、結婚し、子どもを生み育てることも困難になってきているのではないでしょうか。

 少子化問題は、ここに問題があると思うんですね。

 大企業に社会的責任をはたしてもらうことは、もちろん、自治体として、雇用の安定、地域経済の活性化、子育て支援、健康・福祉の増進が必要になってくるわけです。

 市民のガマンを押しつけるばかりではなく、内需拡大、雇用の安定、市民所得の増大の方向に向かうことが大切です。 

 Q,そのために、中小企業、商工業者を応援し、地域でお金がまわる仕組みがお大切です。そのような方向をめざす「地域経済振興条例」を知恵をあつめて策定すべきだと考えますがいかがでしょうか?

 ▲稲村市長答弁
 コンパクトで持続可能なまちづくりを行うためには、地域内で人とお金が循環する仕組みが必要であり、市民、事業者、経済団体、行政が一体となり、地域経済の活性化を図っていくことが必要であると認識しています。

 このため、今後、地域経済の振興について、事業者や経済団体と十分に連携し、条例の策定に向けて取り組んでいきたいと考えています。

2-2●住宅リフォーム助成制度について top↑

 産業振興、市民所得を増やしていくうえで、全国でとり組まれていることを紹介したいんですが、住宅リフォーム助成制度です。

 現在の経済不況のもとで、政府も経済対策として雇用促進や景気対策など補正予算を組んで対応しています。

 しかし、尼崎では、翌年度の前倒し事業や、本来、本予算のなかで対応すべき営繕などの事業が多く、雇用促進や景気対策というよりは、一般財源の振り替え、市債発行の抑制の感が否めません。

 住宅リフォーム助成制度は、住宅の改修に、市が一定割合を直接補助をする制度で、全国175の自治体で実施されています。

 秋田では、県が実施し、山形県でも来年度から導入の予定、さらに、10月27日には、衆議院経済産業委員会で、日本共産党の質問に、経済産業大臣も、自治体支援について「考えたい」と答えています。

 兵庫県明石市の例は、これまでも紹介してきました。2004年まで5年間実施したあと、要望が強いので09年から復活したものです。

 市内業者に発注する20万円以上の工事が対象で、10万円を上限に費用の10%を助成しています。予算は年額1000万円から3000万円程度です。明石市が研究機関に依頼して調査したところ、1600万円の予算で経済波及効果は1億7500万円と、11倍だったとのことです。

 また岩手県宮古市では、昨年就任した新市長が、経済対策として住宅リフォーム助成の導入に踏み切り、「技能工」や若い人の求人も増えているようです。

 Q,そこでお聞きします。
 景気・雇用対策として、住宅リフォーム助成制度の導入を検討すべきではありませんか、お答えください。


 ▲稲村市長答弁
 住宅リフォーム助成制度につきましては、これまでから度々、地域経済の活性化のために効果的であるのかといった議論をしてきたと聞いています。

 本市としては、住宅を所有している特定の方のみの肋成となること、さらには対象業種が限られることなどから、地域経済に及ぼす持続的な波及効果と新たな財政負担を勘案すると、その必要性は低いものと現在のところは考えております。

2-3●「新しい公共」について(2回目) top↑

 「新しい公共」にたいして、だいたい政府のいう「新しい公共」と同じ方向だというご答弁でした。

 「新しい公共」という言葉は、2009年の政権交代直後の鳩山首相の所信表明演説でだされてきたものであり、「人を支えるという役割を、『官』と言われる人たちだけが担うのではなく、教育や子育て、街づくり、防犯や防災、医療や福祉などに地域でかかわっておられる方々一人ひとりにも参加していただき、それを社会全体として応援しようという新しい価値観です」とのべています。菅政権もこれを引き継ぎました。

 このルーツは、2004年当時の小泉政権の「新しい公共空間」論にあり、営利企業をも含む民間などを下請け機関として行政サービスを担わせ、行政は企画立案や条例制定などを担います。行政による住民への直接的なサービス実施の取り上げ、切実な特養の待機者さえ把握できない介護保険制度、いわば手足を持たない頭だけの官僚機構――こういう形に市役所をしてしまおう、そんな姿です。しかも、官製ワーキングプアといわれる労働者を多く生み出すもとにもなっています。

 市長がいう「新しい公共」が、政府のいう「新しい公共」と同じであれば、住民の切実な実態・要求などを把握し、「住民の福祉の増進に努める」とある地方自治法の精神からはずれ、自治体を変質させるのではと危惧するものです。

 なお、1点だけ確認しておきますが、

 Q,市長がアウトソーシングの営利企業もふくめた提案制度を提唱され、そのことにより雇用創出といっておられますが、今議会の議案にありますように、一方では、現在、公務についている嘱託職員の削減などが伴うとしたら、雇用人数は基本的に変わらないものになります。どのようにして雇用創出をするつもりでしょうか?お答えください。

 ▲稲村市長答弁

 私が考えております「市民提案型事業委託」につきましては、民間事業者やNPOなどが持つ先駆性や柔軟性といった強みを活かし、これまで行政が担ってきた分野にそのノウハウや技術を活用することによって、多様なサービスの向上と雇用の創出につなげていこうとするものです。

 提案を受けるにあたりましては、行政がサービスの質・コスト・量・方法などを定めるのではなく、民間事業者からそういったことも含めて提案を募集するなかで、サービスの質や実施方法、さらには雇用の創出など、いろいろな視点から判断していくことが必要であると考えております。

 具体的な取扱いについては、今後検討してまいります。

2-4●県道園田西武庫線 top↑

 県道園田西武庫線について、ご答弁いただきましたら、やはり工事が遅れているのは、回答とはちがって、県と三菱との協議が遅れているとのことでしたので、事実を誤認していたのかなと思います。

 今のご答弁のなかで、情報はできるだけだして生きたとのことだったんですけれども、これまで、会派議員が、県と市職員との協議内容についての公文書の公開を求めたところ、全面白紙の文書しか出てきませんでした。
 
 Q、お尋ねします。
 尼崎市の財政状況では、将来にツケをまわすことになる52億円もの負担をする財政的余裕はないと考えますが、いかがでしょうか?

 Q、また、事業費の執行率が5%以下の現段階で、市として凍結すべきと判断し、県にも凍結を求めるべきと考えますがいかがでしょうか?


 ▲稲村市長答弁
 園田西武庫線は、都市計画決定された道路であり、交通機能、防災上の観点からその必要性までは否定できないと考えております。

 しかしながら、本市の財政は非常に厳しい状況にあることから、これまで園田西武庫線については、事業計画の先送りを含め、何か検討できないかという問題意識は持っておりました。

 現在、兵庫県と三菱電機の間で、今年度内の契約に向けた手続きが進められていると聞いており、現時点で、事業凍結まで求めることは難しいと考えております。私としましては、今できることとして極力、市の財政負担の抑制を図るよう努力しなければならないと考えており、今後、この観点から兵庫県と協議・調整を図ってまいります。

2-5◎ 県立新病院建設について top↑

 つぎに、県立新病院建設についてお聞きします
 
 兵庫県は、当初の塚口病院廃止の方針を修正し、「県立尼崎病院と塚口病院の統合再編検討委員会」を立ち上げ、その提言をうけて、両病院とは別の場所に、新病院を建設する方針に変わりました。診療科目と、救急医療体制を充実させる方向に県が動いたのは、住民の声と尼崎市の努力によるものです。しかし、実際にそのとおりの病院が建設されるかどうかは、これからです。

 Q、そこでお聞きします。
 県が、365日24時間断らない救急体制といっていますが、その実行を求めるべきだと考えます。市長の決意をお聞かせください。

 また、塚口病院、尼崎病院の跡地活用については、地域住民の声が強い、医療機関の設置を求めるべきだと考えますがいかがでしょうか?

 ▲稲村市長答弁
 県立尼崎病院と県立塚口病院の統合再編後の新病院における救急医療体制については、本市としましても、県の基本構想に示された統合再編が確実に実現されれば、本市のみならず阪神南圏域の皆さまにとっても救急医療等の診療機能体制の充実が図られると考えており、着実な推進をお願いしているところです。

 また、両病院の跡地活用については、県の基本構想において、病院の移転に伴う地域医療への影響を考慮して、現在の両病院が有する許可病床数から新病院の整踪病床数を減算した病床数程度の病床の活用を基本とし、両病院の跡地に医療機関や福祉施設等の誘致に努めると示されており、本市としましても、市民サービスの維持・向上が確実に図られるよう要望しております。


Q,また、まもなく基本計画が発表されると聞いていますが、前回のように、市民説明会をきちんと開くよう、県に求めるべきだと考えますが、いかがでしょうか?

 ▲稲村市長答弁
 本市としましては、以前から、統合再編に関しては、市民の皆さまには十分な説明と理解のもとに進めていただくようお願いしてきております。

 より具体的な内容が明らかとなる基本計画につきましても、市民の皆さまへ積極的に説明する場を設けていただけるよう、県にお願いしたいと考えております。

2-6◎西武庫交通公園について top↑

 つぎに、県立西武庫公園について伺います。

 現在、兵庫県の第2次新行革プラン(企画部会案)にたいするパブリックコメントが行われています。

 新行革プランのなかに、県立西武庫公園の廃止が盛り込まれています。

 西武庫公園は、戦時中に防空緑地として使用されていた土地の一部を県が整備し、全国初の交通公園と、花の分区園として1963年に開設されました。現在、年間60万人が利用し、桜の花見の季節には、大勢の市民が詰めかけ、名所のひとつとなっています。 

 2008年8月に、当時の白井市長と市議会議長の連名で県の新行革プランにたいして、「県立西武庫公園については、本市の行財政運営に負担を強いることなく、今後とも県が主体的に管理されるよう、お願いいたします」との意見書を提出しました。

 Q、そこでお聞きします。
 県立西武庫公園については、市長・市議会議長が連名で出した意見書のとおり、兵庫県に引き続き管理を要請すべきだと思うがどうでしょうか?お答えください。


 ▲稲村市長答弁
 平成20年7月に兵庫県の「新行財政構造改革推進方策」(第二次案)において、県立西武庫公園の尼崎市への移譲・移管等か示されました。これを受け、本市は平成20年度、平成21年度の県政要望において、引き続き、県で管理を行っていただきたい旨の要望を行ってきたところです。

 また、今回の第2次新行革プラン(企画部会案)では、西武庫公園は廃止する施設とされ、地元市が希望した場合は移譲するとされています。

 本市は、これまで、県に対して本市の行財政状況を伝えるとともに、現在の西武庫公園の管理状況、今後の公園のあり方、特に財政負担が伴う老朽施設の建て替えや公園全体の再整備の考え方など、県と協議を進めてきたところです。

 しかしながら、現時点では費用負担に対する県の全庁的な判断をいただけない状況であることから、本年11月に「今後、県の費用負担について、本市との協議が整わなければ、引き続き、県の施設として存続を再考していただきたい。」との意見の提出を行ったところです。

2-7● 中学校給食について top↑

 つぎに、市民のくらしについて伺います。

 まず、「子育て支援について」です。

 市長は、「子育て・健康が充実しているまちは、他所からも移り住んでもらえる」といってこられました。私もそのとおりだと思います。

 尼崎市への転入者、転出者を調査した「平成 18 年度人口移動実態調査」によりますと、「魅力と評価され、かつ今後も期待されている項目は『徒歩や自転車での移動が容易な道路環境』や『商店街・市場のにぎわいづくり』『駅周辺の環境』が挙げられる。一方で、『子育てしやすいまちづくり』や『救急時体制』については期待が高いのに魅力としての評価が低くなっている。」と分析しています。

 救急時体制は、県立新病院で一定、改善させると期待しても、子育て支援については、充実させる必要があります。
 とくに、子どものいる世帯の属性は、「転入では「就学前」が最も多く 47%、転出では「就学前」が 37%で最も多いものの、「小学校」も 14%となっており、転入との違いが大きい」と書かれています。つまり小学生をもつ世帯の転出が問題になります。

 学力等の問題もあるでしょうが、ここでは、こどもの医療費と、中学校給食について、お聞きしたいと思います。

 転出先で、最も多いのは、おとなりの西宮市です。

 西宮市では、中学校給食が実施されています。

 中学校給食は、全国的には8割で実施されていますが、兵庫県はそれより遅れていて5割程度ですが、神戸や尼崎など大都市で実施されてないことが、その要因となっています。阪神間では、伊丹が牛乳給食だけ行っていますが、それ以外で実施していないのは、尼崎と川西だけです。

 さる11月26日、尼崎で「兵庫県教育研究集会現地実行委員会」主催による「子どもをめぐる貧困を考えるシンポジウム」がありました。福祉事務所職員や、小中学校、高校教師の方々から、尼崎の現場での実態報告がされましたが、その中に、不登校問題に関して「中学生の親が、子どもを3日間休ませた。理由は、3日間とも弁当を持っていかせることができなかった」というものです。

 いま、親の就労形態も大変です。ダブルワークの方もいらっしゃいます。弁当を持たせるのが困難になってきています。

 これまでの市長が、食堂や、弁当を試みましたが、なかなかうまくいっていないようです。一部の生徒を対象にしたものではなく、全員を対象にした試みはまだされていません。

 Q、そこで質問です。
 全国8割、兵庫5割の実施率、尼崎市内中学生の状況からも、子育て支援充実の観点からも、中学校給食の実施をめざすべきだと考えますが、いかがでしょうか?


 ▲稲村市長答弁
 中学校給食につきましては、生徒にとって栄養価等を考慮しますと最善と思いますが、厳しい財源の中では困難と考えております。

 しかしながら、ご家庭の事情でお弁当を持参できず、昼食を菓子パンなどで済ませている子ども達がいる現状から、育ち盛り、食べ盛りの中学生の食生活を改善するため、中学校弁当の取組みを最大限進めて参ります。

2-8●こどもの医療費について top↑

 つぎに、こどもの医療費についてです。

 こどもの国民健康保険証については、親の滞納の有無に関わらず、手渡す措置がとられています。しかし、窓口負担のために、医者に行く場合は、やはり親の財政力に左右されることがあります。

 すでに、群馬県や東京23区などで、中学校3年生まで医療費を無料にする制度が実施され、その動きが強まっています。兵庫県下でも、小野市、福崎町にくわえ、7月から西宮市でも実施されています。
 
 Q、お聞きします。
 西宮との比較、人口流出の事態、全国・県内の動きからも、尼崎でもこどもの医療費無料制度をめざすべきだと考えますが、いかがでしょうか?お答えください。


 ▲稲村市長答弁
 本市におきましては、これまでも子育て支援の一環として、兵庫県の乳幼児等医療費助成制度に加え、市単独での取組みといたしまして、

 ○小学3年生までの入院の無料化及び3歳未満児の通院の無料化

 ○18歳未満の障害児、母子家庭・父子家庭等のこどもに係る入院の無料化

を実施することにより、誰もが安心して子どもを産み、育てることのできる環境づくりに取り組んでまいりました。

 しかしながら、中学3年生までの医療費の無料化につきましては、市単独で実施する場合、新たに約7億円の経費を負担する必要があり、厳しい本市の財政状況から現時点での実施は困難であると考えております。

2-9◎国民健康保険について top↑

 まず、国民健康保険についてです。

 現在の尼崎の国民健康保険料は、阪神間平均並みになっています。しかし、尼崎には所得の低い世帯が多いために、同じ世帯構成、所得階層でくらべた場合、他都市より高くなってしまいます。

 たとえば、最高限度額に達する世帯収入は、芦屋や宝塚で1000万円を超えているのに、尼崎では1人世帯で693万円、2人世帯で656万円です。

 また、年所得300万円で、40歳の夫婦、子ども2人では、年間の国保料は、宝塚市では、41万円ですが、尼崎市では59万円と18万円も高くなっています。つまり、同じ稼ぎをしていても、消費に使えるお金は、尼崎市民だと18万円も少ないわけです。

 市長は所信表明で、国保料を「割高感」と言われましたが、他都市と比べて高いのではなく、生活実態からみて「高い」んです。高すぎるから、払いきれなくて、滞納が増えているんです。

 Q、そこでお聞きします。
 市長は、尼崎の国民健康保険料が、高すぎるという認識はあるのでしょうか?

 また、引き下げる努力はどのようにする考えでしょうか?

 一般会計からの繰り入れ4億円は維持すべきだし、増やすべきだと考えますがいかがでしょうか?

 ▲稲村市長答弁
 本市の国保科につきましては、阪神間並みの水準に維持することを基本に設定されています。

 しかし、協会けんぽ等の被用者保険や阪神間各市の国保と比較いたしますと、本市の被保険者の所得が低位にあることから、所得割が賦課される世帯の保険料額は、高額になっていると感じております。

 保険料引下げの努力といたしましては、収納率向上対策や生活習慣病予防による医療費適正化といった歳入歳出両面にわたる取組を今後も進めてまいります。

 なお、財政健全化繰入金につきましては、厳しい財政状況ではありますが、できる限り確保し、保険料の軽減に努めたいと考えております。

2-10◎国保広域連合について top↑

 つぎに国民健康保険の広域化について伺います。

 市長は、所信で、「医療保険制度の一体化と支え合いの単位の広域化を強く働きかけていきます」といわれました。この発言には、二つの問題があります。

 1つ目は、国保は「支えあい」=つまり「相互扶助制度」ではなく、社会保障制度だということです。

 2つ目は、「国保の広域化」です。

 いま、民主党政権は、国保を県単位など広域で運営しようとしていますが、これには、保険料を少しでも安くするための自治体独自の繰入をなくすねらいがあります。

 繰り入れをなくせば、医療費の増加が保険料の値上げに直結し、国保料がいっそう引きあがることは明らかです。事実上の広域国保といえる政令市の横浜、大阪、札幌など大規模自治体ほど財政難はひどくなっています。

 兵庫県の場合、各市町が、それぞれ国保料引き下げのために一般会計から繰り入れをしていますが、これにより本来の県平均保険料を約5000円引き下げています。

 つまり、広域化により、これだけでも保険料が平均5000円引きあがることになります。

 広域化によって、市の負担はなくなるし、責任もなくなりますが、医療の安心を守ることにはつながりません。

 保険料を下げるための市の努力は言うまでもありませんが、広域化でなく、1984年に減らした国の負担割合を元に戻すことが不可欠です。

 Q、そこでお聞きします
 国保の広域化により、保険料が引きあがり、ますます市民の声が届きにくくなるという認識はありますか。広域化をもとめるべきではないと考えますが、いかがでしょうか?お答えください。


 ▲稲村市長答弁
 現在、国の「高齢者医療制度改革会議」におきまして、国保の広域化も含めた検討が進められておりますが、最終とりまとめに至っておらず、市民の声の反映方法や保険料への影響につきまして「ま、現時点では明らかになっておりません。

 しかしながら、同じ所得であれば、同じ負担で、同じ給付が受けられるという公平性の観点からも、国保の広域化は有効な手段と考えております。


 Q,また、国に国保への国庫負担を引き上げるよう求めるべきだと考えますが、いかがでしょうか?

 ▲稲村市長答弁
 国の負担割合につきましては、様々な制度改正を経る中で、徐々に低下してきております。

 しかし、高齢化等に伴う医療費の増加など国民健康保険を取り巻く環境が厳しさを増しており、今後も国に対し、国庫負担割合の引上げを強く要望してまいります。

2-11◎ 公契約条例について top↑

 つぎに、公契約条例について伺います。

 近年、働く貧困層=ワーキングプアが社会問題となっています。

 地方自治体においても、非正規職員の増大、民間委託、指定管理制度の導入、そのうえ、競争入札などにより、労働者の賃金が引き下げられる傾向にあります。

 そのため、最低賃金の引き上げが行われていますが、まだ生活保護の最低基準にさえ到達しない水準です。

 そこで重要になってくるのが、公契約条例の制定です。

 さる12月15日に、神奈川県川崎市で「川崎市契約条例の一部改正」いわゆる「公契約条例」が可決成立しました。千葉県野田市につづく、全国2番目、政令市では初めてです。

 この条例は、施策の基本方針に「市内中小企業者の受注機会増大を図る」「事業実施に従事する者の労働環境整備を図る」などが盛り込まれ、一部の工事請負、業務委託契約に従事する労働者に支払われる賃金の下限額を定めています。

 提案にあたって、川崎市長は、「この条例は、公共事業の品質を維持しながら、労働者の適正な労働条件の確保を図ることを目的とするもの」「施行は平成23年4月1日」「これにより契約業務に従事する労働者の労働環境の整備と、契約により提供される市民サービス等の質の向上が図られ、市民が豊かで安心して暮らせる地域社会の実現につながるものと考えております」と述べられています。

 また、おなじく神奈川県の相模原市でも、11月30日に市長が「公契約条例」の早期実施を目指す意向を明らかにしています。庁内での検討プロジェクトチームの意見を今年度中にまとめ、川崎市の動向を踏まえ、条例の早期導入を進めるとしています。

 そのほか、国分寺市など、同様の趣旨で条例化をめざす自治体が増えています。

 尼崎でも、2008年に議員提案による公契約条例案を提出ましたが、残念ながらわずかの差で成立しませんでした。しかし、同意いただけなかった会派でも、契約制度のあり方や、賃金水準・労働条件に関して、問題意識はもっておられたと認識しています。

 また、尼崎での議論が、野田市の条例化に大きな影響を与えたのも事実です。

 公契約条例が成立した野田市や川崎市、また条例化をめざす自治体に共通しているのは、市長が積極的な役割を果たしていることです。

 働く市民の暮らしに、市長が思いをはせ、「市役所の仕事でワーキングプアを作り出さない」という姿勢が問われる問題です。

 Q、そこで質問です。
 民間委託化の推進によって、低賃金の労働者が増えていると思われます。ワーキングプアを作り出さないことが尼崎市長としても大切だとおもいますか?

 また、尼崎でも、公契約条例を策定すべきと思いますが、市長の考えをお聞かせください?

 
 ▲稲村市長答弁
 市が発注する契約について、適正・公正な賃金・労働条件が確保されることは、非常に大事なことだと理解しています。

 このため、昨日も申し上げました提案型公共サービス民営化制度の導入を図り、これまで行政が公共サービス提供者として、サービスの質・コスト・量・方法などを定めていたものを、民間事業者やNPO、つまり市民から委託・民営化の提案を募集し、サービスの担い手を決定していきたいと考えています。

 この制度の運用にあたっては、サービスの質などを総合的に審査することが必要だと考えています。

 私は、公契約のあり方について改善する必要性があると認識しておりますが、賃金などに関する諸条件を確保する公契約条例の導入は、当面のところ考えていません。

2-12◎ 平和市長会議への参加について top↑

 つぎに、平和市長会議への参加についてです。

 核兵器による惨禍をなくすため、唯一の被爆国・日本の役割は重大です。

 平和市長会議は、1982年の第2回国連軍縮特別総会において、広島市長が、世界の都市が国境を越えて連帯し、ともに核兵器廃絶への道を切り拓こうと、核兵器廃絶にむけた都市連帯を呼びかけたことに始まります。

 すでに、2010年12月1日現在、世界150カ国・地域の4402都市が加盟しています。

 国内では、1727市町村のうち841自治体、加盟率は48.7%、約半数の自治体が加盟しています。

 兵庫県では、今年になって11都市が加盟し、阪神間では、宝塚市にくわえ、今年8月には西宮市が加盟しました。
昨日のご答弁がありましたので質問しませんが、できるだけ早期に平和市長会議へ参加されますよう、要望しておきます。
2-13◎原爆被害者への補助金 top↑

 また、プランに計上されている原爆被害者への補助金削減ですが、被爆者の方の多くは、70歳から80歳代、最も年齢が低い胎内被爆の方でも65歳です。

 この方々が現在の7万円の補助金でどんな事業をされているのか担当局は知っておられると思います。
被爆して病弱になっている構成員を励ます連帯の「会報」の郵送に必要な切手代などに使われているんです。何か事業のできる状態ではありません。

 被爆して国の支援も少ない中、助け合って生きている被爆市民への援助を一般市民団体と同一に論じるのはいかがなものでしょうか。

 これこそ、市長自ら声を聞いてはいかがでしょうか。

 補助金削減の再考を求めます。

2-14◎市バス敬老パス無料制度復活について top↑

 つぎに、市バス敬老パス無料制度復活についてうかがいます。

 今年10月から70歳以上の敬老パスの有料化がおこなわれました。

 フリーパス方式、コイン方式、あわせて、4万3735人がパス券を購入しました。対象者の58.6%にあたります。
 昨年の無料パス券を受け取ったのは、5万2111人、対象者の72.4%です。

 対象者の人数は違うとしても、有料化によって、昨年より8376人、交付率で13.8ポイントも下がったわけです。パス券を手にしなかったことは、高齢者による「市バスに乗らない」あるいは、「乗れない」宣言ともいえるものです。
 
 とくに、今年3月の予算議会のときに、予測した人数は、フリーパス方式で2万2998人でしたが、有料化後、実際にフリーパス方式でパス券を購入したのは10942人と、半分の人数です。

 さらに、所得区分別でみると、1年定期方式で購入したのは、低所得Tより、低所得U、さらに一般世帯がもっとも少なくなっています。

 つまり、購入金額が上がればあがるほど、購入率が下がっているわけです。

 このことは、高齢者がパス券を購入できる金額、つまり使えるお金の額が、購入者の制約になっていると考えるべきではないでしょうか。
 
 Q、そこでお聞きします。
 市長は、市行政が高齢者の移動の自由を保障することについて、どのようにかんがえられ、そして、敬老パス有料化によって、市バスに乗れなくなった高齢者がいることを、どのように感じておられるでしょうか。


 ▲稲村市長答弁
 高齢者市バス特別乗車証の交付枚数が減少していることにつきましては、有料化に伴い、従前の高齢者の乗車証を利用されていた方が、現在も無料である身体障害者の乗車証等に変更されたケ一スが多数あったこと、また、過去のアンケート結果では、無料の乗車証の交付を受けながら市パスを全く利用されていない高齢者もおられたことから、そうした方々が、今回の申請に来られていないのではないかと推測しております。

 高齢者の社会参加や生きがいの促進を図るため、本市の厳しい財政状況の下、市と利用者が制度を支え合う持続可能なものに見直したことについて、ご理解をいただけるよう、今後ともPR等に努めてまいります。


 また、市長は、新聞社のアンケートで、市バスについての質問に、「各種負担金をふくめ、過去20年間、400億円以上の補助的費用が投入されても営業赤字を続け、累積額は85億円以上」と述べられています。

 当然、この中には、敬老パスの補助金も入っていると思いますが、 もとより、無料の市バス敬老パス制度は、高齢者の移動の自由を保障してきた福祉制度でした。

 有料化により、高齢者の移動の自由を奪うとともに、市バス経営の悪化をもたらす原因ともなるのではないでしょうか。

 Q、お聞きします。
 高齢者市バス特別乗車証制度は、福祉制度という認識はあるのでしょうか、それとも市バスの経営を助けるための補助だと考えておられるのでしょうか。また、高齢者の乗り控えによるさらなる経営悪化の原因にもなると思われませんか、お答えください。


 ▲稲村市長答弁
 高齢者の市バス特別乗車証制度は、高齢者の就労、学習等の社会参加を促し、生きがいの促進を図ることを目的とする福祉制度として実施しているものです。

 今回の有料化にあたっては、一定の乗り控えを見込む中、今後も持続可能な制度となるよう見直したものでありますが、いずれにいたしましても、本制度の主旨は、交通局の経営を補助するものではないと認識しております。


 さて、市長は、今度の選挙で、「重要な政策について複数の案を提案していく」と述べられました。

 敬老パス有料化の発端は、「将来、対象者が増えて、財政的に大変になる」ということでした。しかし、日本共産党議員団は、敬老パスへの補助金を高齢者の乗車率に合わせるのではなくて、定額方式にすれば、財政負担を増加させることなしに、無料制度が継続できると提案しました。
 
 Q、そこでお尋ねします。
 定額方式を検討し、敬老パスの無料制度を復活させるべきだと考えますが、いかがでしょうか?

 ▲稲村市長答弁
 従前の市バス特別乗車証制度につきましては、高齢化による事業費の増加が確実に見込まれること、さらに本市の厳しい財政状況の下で、現在の制度に見直したものです。

 利用者の負担につきましては、有料化の開始から2年間の経過措置を盛り込み、定期方式においては、低所得者の負担を最大7割減額し、また、一時的な負担を軽減するために半年定期方式を導入しております。さらに、乗車払い方式につきましても、1日に複数回乗車される方の負担を軽減するため、平成23年4月から1日乗車利用証を導入するよう、今般、条冽を改正する議案を提出しております。

 本制度につきましては、このように利用者の負担に配慮しているところであり、本市の厳しい財政状況の下、
当面、現行の制度で進めてまいりたいと考えております。


 また、今年7月に「尼崎市地域交通会議」が答申を出しました。

 本来、公営企業審議会がもとめたのは、総合交通体系の構築でしたが、地域交通会議は、市バスだけを中心にした議論で、一部地域のバス路線の廃止などを打ち出しました。
 
 同時に、「地域の実情に応じたコミュニティ交通の導入」の考え方も打ち出していますが、タクシーや、バス会社がメンバーに入っているのに、具体的な提案、考えは出されませんでした。

 Q、そこでお聞きします。
 尼崎市民、平等に移動手段を確保するために、安易な路線廃止はすべきではないと考えますが、いかがでしょうか?

 ▲稲村市長答弁
 現在、地域交通会議の答申を踏まえ、民間活力の活用も視野に入れ、バスネットワークのあり方について、検討を行っているところですが、その中で、バス交通需要の少ない地区への対応もあわせて検討をすすめてまいります。

 今後、さらに、市民ニーズや移動実態を検証しながら持続可能なバス交通サービス構築に向け、必要な取組を進めてまいりたいと考えております。


 これで第2問をおわります。
【第3回目登壇】 top↑

 答弁をいただきましたが、これまでの答弁が繰り返されてきたのかなという感じがします。

 稲村市長は、市議会の会派スタッフをしていたときに、本会議をみて、職員の人がたたずに、自分がしゃべったらいいのに、というようなことを感想で言っておられてことを聞いたことがありますが、まだ市長になられて6日目、私の質問をだしたのが2日前なんですよ。十分な議論は出来てないと思うんですけれども、全体の印象としては、まだ読み上げていたのかなと、自分のことばで語られていないと思います。

 稲村市長は、4年前、8年前、白井文の「あや隊の隊長」として先頭にたってわあとやってきた、「元気な人やな」という印象があったんですよ。

 市長になったら、おとなしいやってはるのは、まだ慣れてないのかなあ、と思いますので、これから稲村カラーというの
がでてくるのかなと思っておりますので、期待半分、怖さ半分がありますが、これから大いに議論をしていきたいと思います。
 
 ひとつ、中学校給食、こどもの医療費なんですよ。たしかに尼崎市の財政は、厳しいものがあります。

 だからといって、他都市、周辺都市が実施をすすめたとき、尼崎だけが取り残されては、どんなに綺麗な言葉をならべても、尼崎に魅力を作り出すことはできません。

 もちろん、国や県の支援を求め、働きかけることも重要です。しかし、いずれ、尼崎でも課題になってくるであろうと思います。ですから、私は、あえて「めざすべきだ」と申し上げたわけです。

 いずれにしても、市長は、与野党をつくらず、オープンに議論していこうとの考えのようですので、今後とも意見交換をしていきたいと思います。よろしくご吟味をお願いします、

 最後に、私は、白井市長には、自治体職員のあり方の例として、映画「生きる」を紹介しました。

 いなむら市長には、映画「いのちの山河」をお勧めしたいと思います。

 かつての岩手県沢内村は、医療制度の充実で、乳幼児の死亡ゼロを全国ではじめて達成したところです。その沢内村の村長が、どのようにしてそんな町をつくり上げていったかというお話です。なかなかの感動もののようです。

 もう見られたかもしれませんが、一般には、なかなか見られない映画のようですので、機会がありましたら、ぜひご鑑賞ください。
 
 日本共産党議員団は、「子育てするなら尼崎」「健康で長生きできるまち」「中小企業が元気なまち」をめざして、今後とも奮闘する決意を申し上げまして、すべての質問を終わります。

 ご清聴、ありがとうございました。

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2010年12月31日 更新
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