'98年のアサガオ


 昔は十鉢以上も作っていたのに、しばらくアサガオは2〜3鉢しか育ててい ませんでした。しかし、出入りしているネットの掲示板でアサガオが話題となっ ていることにも刺激され、'98年は色々と作ってみました。他のアサガオ関連ペ ージに比べると、どうも方針にまとまりがないのですが、よろしくご容赦下さい 。



○木立朝顔(蔓なし)



 これは、市販の木立(こだち)です。サカタ種苗から売り出されている、サ ンスマイルという品種で、アサガオの特徴であるはずの蔓(つる)がほとんど伸 びません。こんもりとコンパクトに育ち、蔓を巻きつかせるための行灯(あんど ん)等を必要としないので、もっと注目されるべき品種です。子葉の形に特別な 変化はないため、普通種とは苗の段階ではちょっと区別できません。花は小輪で すが、赤や紫、青色など何種類かあり、夏の炎天下でも次々と花を咲かせてくれ ますし、近年流行の寄せ植え材料としても使えます。



○桔梗咲朝顔



 こちらは桔梗咲(ききょうざき)。こちらも市販種で、ガーデンセンターや 花屋で苗が売られています。種子から同じものが育つため、変化朝顔の入門用に は最適の品種です。子葉は小さく先が開いた形で、少しデコボコしているため、 簡単に他の品種と区別できます。上に示した木立の写真と、形を比べてみて下さ い。花は星形の桔梗咲きで、一般の朝顔と比べるとかなり小輪ですが、花持ちが よく昼過ぎまでしおれずに咲いています。

その他のアサガオ
 '98年に栽培した、いろいろなアサガオの画像です。変化朝顔と呼ばれる変 わり咲きの品種もあります。なお、画像は表示速度向上のためリンクになってい ますので、見たい花の名前をクリックしてみて下さい。参考ですが、品種名の前 に○印があれば種子ができますが、●印の品種では稔性がないため残念ながら種 子はできません。また、漢字ばかりの品種名は変化朝顔の形質を表すための花銘 で、江戸時代から使われているものです。

○曜白アサガオ (ようじろあさがお)
 アサガオの花で曜(よう)と呼ばれる肉厚の部分が白くなった品種で、花の 模様が明快なため遠くからもよく目立ちます。垣根用に様々な色を混合した種子 が市販されていますし、近頃では花屋で色別にした子苗を見かけるようになりま した。アサガオの研究で有名な米田先生が、アサガオとマルバアサガオの種間交 雑から見つけだしたものです。

○紅ちどり (べにちどり)
 花径3cm程度の小さな可愛い花を咲かせるアサガオの市販品種です。花だけ でなく葉も草姿も非常に小さく、いかにも日本人好みの小型品種です。開花株は たまに見かけるのですが、苗はあまり売られていないため、通信販売で種子を取 り寄せました。花色が赤だけしかないのがちょっと残念です。

○南天葉丸咲 (なんてんばまるざき)
 葉が複葉になることもあるため、南天と呼ばれる遺伝子を持つ変化朝顔です 。筒が長い小輪の花を咲かせますが、花弁に細かなシワがあるのが特徴です。こ のままでは鑑賞価値も低いため、普通は他の遺伝子と組み合わせて複雑な芸をさ せます。あまり稔性は良くありませんが、種子も得られます。

○笹抱葉切咲 (ささかかえばきれざき)
 こちらも変化朝顔で、ちょっと見ると獅子のような葉をしていますが、細く 切れた花弁から笹(ささ)の遺伝子を持つことがわかります。実は、獅子牡丹( ししぼたん)の系統から分離したもので、獅子の遺伝子などの影響からか葉に抱 えが出ています。この葉を見ると、とても種子が出来るとは思えないのですが、 少量ながら種子を得ることができました。

●丸葉牡丹咲 (まるばぼたんざき)
 バラのようにも見えますが、アサガオの牡丹咲です。これは変化朝顔の獅子 牡丹系統から出たもので、よく見ると葉に打ち込みがあります。アサガオの牡丹 咲では花弁が多く豪華になりますが、オシベもメシベもすべて花弁になってしま うため種子が採れず、牡丹咲の兄弟で一重咲きの株から種子を採る必要がありま す。

●握爪竜葉風鈴獅子 (にぎりつめりょうばふうりんしし)
 変化朝顔の代表的な種類の一つで、獅子(しし)と呼ばれる遺伝子を持つ品 種です。花弁が切れて、風鈴と呼ばれる形状に変化しており、こうなるとアサガ オとは思えません。まったく稔性がないため、保存のためには兄弟の株から種子 を採らなければなりませんが、親とする株には葉の抱えが強いものを選びます。 残念ながら、今年蒔いた種から花弁の多い獅子牡丹は出現しませんでした。

●斑入柳葉撫子咲一重 (ふいりやなぎばなでしこざきひとえ)
 これも変化朝顔の一つで、葉の形から柳(やなぎ)と呼ばれる遺伝子を持つ 品種です。花弁が細かく裂けてナデシコのようになり、アサガオとは思えない形 の花を咲かせます。これでも花粉には稔性があるため交配に使えますが、さすが にメシベには稔性がないため、保存のためには兄弟の株から種子を採らなければ なりません。


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