・介護報酬加算170自治体 最高7.2%、4段階で
 都市部の人件費考慮 
 
平成12年2月10日 読売新聞より

丹羽厚相は9日、4月から始まる介護保険制度で、在宅や施設でサービスを提供する事業者に支払われる介護報酬の単価とともに、在宅の利用者が受けられる介護サービスの上限となる支給限度額を正式に決めた。10日付の官報で告示する。人件費などが高く、介護報酬単価に加算されるケースを地域ごとに4段階に分け、それぞれの自治体名も盛り込んでいる。また、家事援助を利用する際の基準も示している。

 介護報酬単価と支給限度額はいずれも医療保険福祉審議会の介護給付費・老人保健福祉両部会が1月28日、厚相に答申した内容に沿っている。在宅サービスの支給限度額は、最も介護が必要な要介護5のケースで、月額358,300円。在宅で訪問介護を受ける場合、30分以上1時間未満は4,020円となっている。

 公定価格である介護報酬単価には、事業者の所在地の人件費や物価が高い場合に加算する仕組みがあるが対象となる19都道府県の170市区町名も示している。原則としてサービス費用の1割となっている利用料はその分、高くなる。

 地域別加算は「特別区」(東京23区)「特甲地」「甲地」「乙地」の4段階に分かれ、
 @訪問介護や訪問入浴介護などの場合は7.2〜1.8%
 A訪問看護や施設サービスなどの場合は4.8〜1.2%
−がそれぞれ上乗せされる。

 例えば、在宅で訪問介護を受ける場合、30分以上1時間未満は4,020円だが、加算地域では、「特別区」の東京23区内は4,309円(加算率7.2%)、「特甲地」の横浜、名古屋、大阪市などは4,261円(同6%)、「甲地」の福岡市などが4,164円(同3.6%)、「乙地」の札幌、仙台、大津、奈良、長崎市などは4,092円(同1.8%)となる。

 地域別加算には、15%が加算される離島、山村等もあるが、対象の自治体と地区名は、今月末に別途告示される。

 ホームヘルパーによる訪問介護のうち、焦点となっていた家事援助の利用基準は、
 @一人暮らし
 A家族、親族と同居の場合は、障害、疾病などで家族が家事を行うことが困難な場合
−と明記している。

 厚生省は、今回の告示に合わせ、家事援助と身体介護を同程度行う場合の通称を「折衷型」から「複合型」に言い換えており、複合型の判断基準など、具体的な線引きについて、今月下旬にも自治体などに通知する方針だ。


   <主な在宅サービスの介護報酬基準額と支給限度額>

■訪問介護
 <身体介護>
   30分未満                       2,100円
   30分〜1時間未満                 4,020円  
 ★1時間〜1時間半未満                5,840円  
     以降30分ごとに                 2,190円
 <家事援助>
   30分〜1時間未満                 1,530円 
   1時間〜1時間半未満               2,220円
    以降30分ごとに                    830円
 <複合型>
   30分〜1時間未満                 2,780円
 ★1時間〜1時間半未満               4,030円
    以降30分ごとに                 1,510円
 ※★印に引き続き家事援助をした場合、30分ごとの加算は830円とする
 ※早朝(午前6−8時)夜間(午後6−10時)は25%、深夜(午後10ー午前6時)は50%加算。離島等は15%加算。3級ヘルパーは、身体介護と複合型で5%減額

■介護サービス計画(ケアプラン)費(=1ヶ月あたり)
  要支援                          6,500円
  要介護1、2                       7,200円
  要介護3、4、5                     8,400円
 ※1割の自己負担なし。離島等の15%加算はあるが、特別区などの地域加算なし

■在宅サービス支給限度額(=1ヶ月あたり)
  要支援                         61,500円 
  要介護1                       165,800円 
  要介護2                       194,800円 
  要介護3                       267,500円
  要介護4                       306,000円 
  要介護5                       358,300円
 ※原則として利用額の1割を自己負担

■福祉用具購入=1年間につき上限は一律10万円

■住宅改修費=原則1回、一律20万円  


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