ホームセキュリティ・サービス
 −家の安全 24時間監視

読売新聞より

 ホームセキュリティ・サービスは、住宅内にセンサーを取り付け、警備会社のセンターが24時間体制で遠隔監視するシステムだ。センサーが、火災発生や空き巣の侵入などを感知すると、自動的にセンターに通知し、警備員が駆け付ける。
 
 従来、企業や官公庁などのビルの警備に採用されていた方法で、警備業最大手のセコムが1981年に、一般家庭の警備にも導入した。一般家庭とセコムとの契約件数は、去年3月末で10万5000件で、企業・官公庁(40万5000件)に比べると少ないが、この数年、前年比20%程度で伸びているという。ホームマーケット営業部長の井東さんは「凶悪な事件が増えたことなどから、安全を買うという意識が定着してきました」と分析する。
 契約する家庭の層も広がっている。警備サービスを依頼する家庭といえば、従来は、企業役員や政治家、芸能人などの”邸宅”だった。しかし、高齢者や仕事を持つ女性が増えたことなどで、最近は独り暮らしの女性や高齢者、30−40代の共働き夫婦が契約するケースが増えた。総合警備保障広報室の竹内さんは「決して特別な家庭のためのサービスではありません」と強調する。

 具体的にはどう住宅を守ってくれるのだろう。
 セコムの場合、センサーは
  @泥棒などの侵入
  A火災
  Bガス漏れ
  C押し売りや強盗など、在宅時に危険を感じた場合の非常通報
  D急に気分が悪くなったときなどの救急通報
の5種類がある。このうち、救急通報ボタンはペンダント型で、必要な人が常に身に付けておく。
 センサーからの信号は、いったん家庭内のコントローラーに集約され、電話回線を通じて都道府県ごとに設置されているコントロールセンターに流れる。
 センターが通報を受けると、係員が家庭に電話を入れて誤作動や押し間違いではないことを確認し、全国に約850ヶ所ある待機所から、警備員を急行させる。もちろん、電話に応答がない場合も、警備員が出動する。同時に、状況に応じて警察や消防署に連絡し、被害を最小限に抑える。警備員が現地到着にかかる時間は、警備業法で25分以内と定められている。

 では、肝心の費用はどのぐらいだろう。家の広さやセンサーの数によって違うが、セコム、総合警備保障ともに、普通のマンションなら月7500円程度、一戸建てなら月1万円程度が目安だそうだ。いずれもセンサーなど装置をレンタルした場合の料金だ。
 ただし、月々の料金とは別に、契約時に工事費が3万−10万円程度、機器の保証金が2万円程度かかる。

ところで、最近のホームセキュリティは、オンラインシステムを利用した様々なサービスに力を入れている。
 総合警備保障は去年4月、新しいサービスを組み合わせた「SOKホームセキュリティ」を導入した。防犯、防災機能に加え、コントローラーを操作することで、医療相談やホームショッピング、ホームバンキングができる。自分の健康情報を入力しておけば、急病で駆け付けた警備員が、画面から、既往症やかかりつけの医者などの情報を把握することもできる。
 セコムも去年6月、インターネットとの接続や、ホームショッピング、ホームバンキング、健康医療相談などの機能がついた「セコム・ホームセキュリティ・プラス」を発売した。 
 ここまで広がると、「警備」のイメージを超える。

 全国警備業協会は、「ホームセキュリティを導入している家庭は、日本では数%で、約15%とされるアメリカに比べるとまだ低いのです。今後、純粋な警備だけでなく、高齢化への対応を含めた複合サービスとして増えていくでしょう」とみている。

 全国展開している警備会社のほか、地域によってガス会社や電機メーカーなどの系列会社も参入している。国民生活センターは「契約するときは、複数の業者の資料を取り寄せて比較検討して下さい。また、解約料が必要な場合があるので、あらかじめ確認して下さい」とアドバイスしている。


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