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パソコン作業で肩や腕に痛み
(特にノート型に注意)
読売新聞より
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職場や家庭にパソコンが浸透するのに伴い、肩や腕などの痛みを訴える人が目立っている。中でも持ち運びに便利と人気があるノートパソコンは、小型だけに痛みが出がちだ。いすの高さやキーボードの角度を調節するなどの工夫で、疲労をかなり防ぐことができる。
労働省の健康状況調査(97年)によると、仕事でパソコンを使っている人の86%が、心身に何らかの自覚症状を感じている。このうち症状別では、肩や腕、首筋の凝りや痛みを感じがちだった。
ノート型でデータ入力などをするのが仕事の30歳代後半のA子さんは、残業が続いた後、手首や肩、腕が強く痛み、ひじから先がしびれるようになった。職業病に詳しい、ひらの亀戸ひまわり診療所(東京都江東区)の平野医師に診察してもらったところ、頚肩腕(けいけんわん)障害と診断された。
平野さんによると、@長時間連続の作業を続けたAひじを横に開きすぎ、手首や前腕を浮かせるなどの姿勢が筋肉に大きな負担をかけた−のが原因だった。
A子さんはハリ治療を受けるとともに、作業の姿勢を直した結果、症状は治まり仕事を続けられるようになった。
日本人間工学会の研究部会の実験では、ノート型はデスクトップ型に比べて、使用中、眼球から画面までの距離が8cm短く、前屈姿勢になりがち。このため首や肩、腕などの負担がかかりやすいことがわかった。
そこで同学会は今春、副会長の斎藤さん(労働省産業医学総合研究所・作業条件適応研究部長)が中心になって「ノートパソコン利用の人間工学ガイドライン」をまとめた。
これによると、ノート型はキーボードに厚みのあるものは手首や前腕が机上から浮きやすく、キーボードが小さいため手首などに無理がかかりがちなどの特徴がある。
斎藤さんは「どんなタイプのパソコンを使う場合も、1時間の作業ごとに10分程度の休憩が必要」と強調。
ノート型使用上の注意点として、
・前腕はキーボード面に平行で、ひじの角度が90〜100度になるよう、
いすの高さを調節する。
・キーボードに5〜12度の角度を付ける。機器の裏側に脚がなければ
本などをはさむ。
・キーボードが厚い場合、手前に本やタオルをおいて前腕や手首を支える。
などとアドバイスする。
また、マウスの使用について、「心とからだに優しいパソコン活用ガイド」の著書がある労働科学研究所副所長の酒井さんは、「机の高さより5cmから10cm低い台をわきに置いて操作したり、右利きの人は時々左手で動かしたりするなど、いろいろ試して楽な使い方を見つけてほしい」と言っている。
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