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「生命保険 増える選択技」 その1
11/15付読売新聞より
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健康かどうか、たばこを吸うかどうかなど、体の状態によって保険料(掛け金)が変わる新しい生命保険が相次いで発売されています。保険会社が「健康体」と認めれば割引率が高くなる保険だけでなく、逆にどんなに重い病気にかかっていても入れる保険も登場しています。これまでにない保険だけに、戸惑う人も少なくないでしょう。そこで、こうした保険の内容を点検するとともに、どんな点に気をつけて選べばいいかを数回に分けてまとめてみました。
「病気でもOK」
外資系のアリコジャパンが7月から通信販売している終身保険「はいれます」は、50歳から80歳の人ならどんな病気の人でも入れる。これまでは、病気なら割増保険料が必要になり、病状が重いと契約できないこともあった。「はいれます」は、告知も医師による診査もない。だから、遺族に迷惑をかけないように「葬式費用がわりに」と加入するケースも多いという。
たとえば、50歳の男性が2口(1口3000円)加入した場合、保険料は月6000円となる。これを死亡するまで払うと、病気死亡の場合は保険金128万1000円(災害や事故によるケガで死亡の場合は512万4000円)が支払われる。
重い病気でも入れるという保険は、一見、不思議に見える。そこで、ごく普通の保険と比べてみよう。
ある大手生保の普通の終身保険だと、契約の最低額の500万円(災害特約1000万円)の場合、加入するには告知表に書き込むだけでよく、健康診断は不要だが、過去5年間に入院したことがないなど、健康面での条件がある。入った後は、保険料を月1万2345円払う。
ふたつの保険を、死亡保険金100万円あたりの1ヶ月の保険料で比べてみよう。
普通の終身保険は、死亡保険金500万円、毎月の保険料1万2345円だから、保険金100万円あたりの保険料は、保険料を5で割って、2469円となる。
アリコの場合は、保険金128万円、毎月の保険料6000円だから、保険金100万円あたりの保険料は、保険料を1.28で割って、4687円となる。
こうしてみると、アリコは2倍近く高い。簡単に入れるが、その分、保険料が高いのだ。健康な人は普通の保険の方が割安だ。しかし、普通の保険では入れない人がいるわけで、アリコは「従来は保険に入れなかった人を対象にした新しい市場が広がる」と販売に踏み切った。なお、アリコは加入後2年以内に病死したら、それまでに払い込んだ保険分しか支払われない。
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